燃料上昇、材料不足が懸念

TDB6月景況調査、運輸・倉庫2カ月ぶり改善

帝国データバンク(TDB)が5日発表した6月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比0・8ポイント増の34・5と2カ月ぶりに改善した。旅客自動車運送や旅行業の景況感が上向いたもので、一般貨物自動車運送は2カ月連続で悪化。EC関連は堅調だが、燃料価格の上昇傾向が続くほか、製造業や建設業の材料不足に伴い国内での荷動きが停滞。コンテナ不足や海上運賃の高騰による影響も続いている。6月は全10業界が改善を示し全体の景気DIは前月比1・6ポイント増の39・1。緊急事態宣言の解除、ワクチン接種の普及も進み、サービス、小売など個人消費関連の景況感が上向いた。また、米中向けに自動車や半導体関連などの輸出が増加傾向で、製造、卸売も改善した。運輸・倉庫業界のうち、調査対象の6割を占める一般貨物自動車運送の指標はコロナ禍の落ち込みから4月に38・3まで回復したが、5月36・6、6月36・3と水準を下げている。燃料価格に材料不足の荷動きの影響が続いている。運輸・倉庫業界の各指標では、燃料価格など仕入れ単価DIが62・5(前月60・8)と上昇が続く。直近では2019年5月(62・5)、4月(64・0)以来の水準。運賃・料金を示す販売単価DIは48・9(同49・0)とほぼ横ばい。雇用過不足DIは正社員56・5(同56・8)、非正社員は52・5(同52・9)だった。