地域の安全支える役割を
秋の全国交通安全運動が各地で行われている。30日は「交通事故死ゼロを目指す日」である。事業用トラックの事故件数は着実に減少傾向だが、この機会にあらためて輸送の安全性の向上へ意識を高めていきたい。
運動期間中は業界団体、事業者による街頭活動が実施され、安全確保を呼びかける。昨年に続き今年も新型コロナ感染症対策から見送るところも多い。都市部では緊急事態宣言の延長で制限がある。そうした中でも非接触対策を講じ、できるところで工夫を凝らし活動する姿が見られる。関係者の努力には頭が下がる。
街頭活動では警察との連携でドライバーに、歩行者や自転車利用者など一般にも広くチラシやノベルティを配り交通安全を啓もうしている。地域の経済と生活を支えるトラック運送業界が安全面でもしっかりと情報発信することは重要だ。
今年は6月に千葉県八街市で自家用トラックによる痛ましい飲酒運転事故が発生し、政府の緊急対策のもと、飲酒運転根絶への取り組みが一段と強まっている。トラック運送業界も全日本トラック協会が飲酒運転根絶の決議文を発出し、目標に掲げる飲酒運転ゼロへ対策を徹底していく構えだ。
国土交通省は八街の事故を受け、事業用自動車への対策強化とともに警察庁と連携して白ナンバーの飲酒運転防止にも協力している。双方情報交換してタッグを組み、7月には連名で自家用トラックを有する関係業界に通達を出している。
飲酒運転事故にかかわらず、安全運行へ官、民、そして地域が一体となって情報発信する。交通安全運動はそうした機会でもあるが、コロナ禍においてより有効な情報提供の仕方も模索されるところだ。
10月に入ると「トラックの日」(10月9日)をはじめトラック運送業界の関連催事が相次ぐ。この場も各地域におけるトラックの大きな役割を示す機会である。
全日本トラック協会の事業者大会は10月14日予定の名古屋大会が見送られた。各都道府県協会の〝トラックの日〟関連催事も集約イベント等は控える傾向。それでも媒体を通じたPRや車両展示、コンクールや清掃活動、植樹と様ざまな環境・社会貢献活動が予定されている。支部単位で知恵を絞った独自の企画もある。継続の積み重ねが印象を深くする。
コロナ禍の制限された中でも地域との繋がりを大事にトラックの存在感を高めるメッセージを発信していきたい。