標準的な運賃、8月末届出3割超

地域状況に応じた普及策を

トラック運送業の「標準的な運賃」の事業者届出件数が8月末時点で全事業者の31・4%と3割を超えた。国土交通省によると、運輸局別では四国が75・9%と最も高く4分の3の事業者が届出を終えたのに対し、低いのは関東で10・2%とようやく1割。地域間の格差が引き続きみられており、各地域の状況に合わせた普及推進活動も求められる。今年に入ってからの届出率の推移をみると1月末4・7%、2月末6・1%、3月末8・9%、4月末13・2%、5月末17・8%、6月末23・6%、7月末27・4%、8月末31・4%。8月末時点での運輸局別では四国75・9%、中国67・1%、九州50・9%、北海道47・3%、東北42・7%、中部34・1%、北陸信越32・6%、近畿23・5%、関東10・2%と全般に都市部の割合が低い。都道府県(支局)別で7割超は高知88・4%、愛媛81・6%、熊本79・5%、山口76・9%、宮崎75・4%、函館73・5%、佐賀73・2%、広島71・7%、長﨑71・3%となっている。8月末時点の全事業者に占める届出件数は31・4%だが、全体の届出件数をトラック協会加盟企業数の割合で算出すると44・1%となる。各トラック協会ではとくに届出率の高い事例、情報を共有しながら普及推進活動を進めているところだ。事業者数の多い都市部は全体に届出率も低いが、トラック協会非加盟企業も多く、より効果的な周知施策が求められる。各協会と連携して普及推進活動を進めている国土交通省では、コロナ禍の制約もあるが、状況をみながら対荷主も含め、直接的な働き掛けを進めていく考えだ。国交省の秡川直也自動車局長は9月29日の定例会見で、「標準的な運賃」は自己分析により荷主と交渉した上で届け出るのがプロセスであるとしながら「まず届出して交渉するというトラック協会の考えも良いと思う。その方針で早くから舵を切ったところが数字に表れている」と届出状況に言及。普及活動に向けては「各県や地区の状況によっても異なり、各トラック協会と相談して効果的な手法を見出したい」との見解を示した。