燃料高騰に納車遅れも

TDB1月景気動向 運輸・倉庫業4カ月ぶり悪化

帝国データバンク(TDB)が発表した1月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比2・6ポイント減の37・7と4カ月ぶりに悪化した。燃料価格の上昇が続くほか、尿素水「アドブルー」の不足にトラックの納車遅れもマイナス要因となっている。海上コンテナの不足も継続し、輸出入の荷動きの停滞も依然として継続した。全体の景気DIも前月比2・7ポイント減の41・2と5カ月ぶりに悪化。感染者数の急増で企業活動が再び抑制されるなど大幅に落ち込んだ。大雪の影響も下押し要因。今後は、一時的な落ち込み後に緩やかな回復が見込まれるものの、下振れリスクの動向に注視する必要があるとしている。原材料価格の上昇が継続し、仕入単価DIは51業種中30 業種で上昇。販売単価DIも製造、卸売、小売など3業界6業種で過去最高の水準も、価格転嫁には厳しさがみられる。運輸・倉庫業界はECや宅配関連がプラス材料だが、全般には経済活動の抑制による影響に、燃料高騰が引き続き収益を圧迫。加えて尿素水不足やここにきて新車車両の納車遅れも業績に影響しているとの声が聞かれる。調査対象の6割を占める一般貨物自動車運送の指標は38・4と前月比2・9ポイント悪化した。ほか、運輸・倉庫業界の各指標をみると、仕入れ単価DIは70・7(前月70・4)に上昇し、運賃・料金を示す販売単価DIは51・9(同52・0)と横ばい。雇用過不足DIは正社員60・2(前月60・8)、非正社員56・0(同55・9)。TDB調査による運輸・倉庫業の景気DI見通しは、3カ月後39・6、6カ月後44・3、1年後48・7。とくに短期見通しでこれまでより悪化しており燃料動向を不安視する。