SCM推進の課題はコスト改善、DX対応
JILS21年度アンケート調査
日本ロジスティクスシステム協会(JILS/遠藤信博会長)がこのほど行った2021年度会員アンケート調査によると、ロジスティクスやSCMを推進するうえでの課題は「物流コスト削減(改善)」が52・6%と最も多く、次いで「DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応」35・3%だった。DX対応の課題には人材不足や標準化が進まないことなどへの回答が多かった。調査は2月7~18日に実施、会員対象に行い有効回答数309人・292社。業種別内訳は物流業40%、製造業32%、流通業11%、サービス業9%、その他業種8%。ロジスティクスやSCMを推進するうえでの課題(3つまで)は物流コスト削減、DX対応のほか、「物流品質管理」26・8%、「人材の育成、HRM(人的資源管理)」25・8%などが上位。前回の19年度調査でもコスト削減(改善)が約6割と最多、次いでドラバー不足への対応、人材の育成、物流品質管理の順で各3割前後だった。労働力不足に対応する自動化・省人化等への投資については、30・9%が「既に実施している」と回答。ほか「検討しているが具体的な計画立案まで至っていない」23・8%、「投資計画を検討中」20・5%、「該当しない、不明」13・8%、「関心はあるが検討はしていない」10・4%だった。DXの課題(複数回答)では「推進する人材不足」との回答が59・6%と最も多く、以下「関連するサプライチェーンにおいて標準化ができていない」47・5%、「物流DX実装に向けた投資が難しい」29・0%だった。コロナ禍における物流改善活動への取り組みでは、56・9%が「例年通り活動を進めている」とし、「社内改善発表会等のイベントは中断」18・1%、「日頃の改善活動そのものが停滞または中断」10・7%などだった。今後、より必要となると思われる社員の資質・能力(複数回答)は、「コミュニケーション力」63・6%、「課題解決能力」61・9%、「企画力」56・6%、「実行力」51・7%などが上位にあげられた。