元請へ理解求める

国交省、適正取引推進会議を開催

コスト上昇分の価格転嫁がとくに多重構造にあるトラック運送業界内で進まないことを受け、国土交通省が16日に「トラック運送業に係る適正取引推進会議」を開催、主に元請運送事業者の経営者を対象に改めて理解と協力を呼びかけた。冒頭あいさつした堀内丈太郎自動局長は「このようなテーマで主に元請事業者に集まりいただくのは初めて。荷主、元請に対し立場の弱いトラック運送事業者が、燃料価格等上昇分を適正に運賃に反映されるよう省庁連携で取り組むが、公取の報告書にはトラック運送業は他業種と比べ業界内の転嫁が進まないことが数字に表れ、大変憂慮する」とし、「荷主との価格交渉で日々の努力は承知するが、下請け事業者からの価格交渉の申し出にはできる限り聞く耳をもって対応してほしい」と理解を求めた。全日本トラック協会の坂本克己会長は、昨年末に策定された「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化パッケージ」に基づき、適正運賃・料金収受へ荷主対策が進む一方で「我々業界も自助努力をし、悪しきと称される慣習は是正する努力が必要」と述べた。会議では国交省、公取委、中企庁、厚労省が行政の取り組みを説明した後、全ト協と大手事業者5社が業界の取り組みを説明、現状認識について情報を共有した。国交省による改正事業法の荷主対策では、11月末までに行った働きかけ72件のうち26件、要請2件のうち1件は元請事業者が対象という。同会議に出席したトラック運送事業者は以下21社。松岡満運輸、第一貨物、NXトランスポート、ヤマト運輸、中越運送、新潟運輸、信越定期自動車、トナミ運輸、西濃運輸、エスラインギフ、近物レックス、名鉄運輸、佐川急便、センコー、岡山県貨物運送、福山通運、宇和島自動車運送、博運社、日本通運、日本郵便、日本郵便輸送。

16日、国交省で開いた適正取引推進会議