ネクスコ3社 大型車マス600台増設
トラック運転者の働き方支援
東日本、中日本、西日本のネクスコ3社がトラック運送業界の働き方支援策として展開するサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)での大型車駐車マス拡充が進んでいる。2023年度には約600台分増やす計画をとりまとめた。施設でドライバーが休憩取れることで、運転者の労働時間を定めた改善基準告示の遵守を後押しする。施設内の安全確保にもつなげる。ただ普通車が混在するなか大型車マスの不正な利用で夜間帯の混雑解消はまだ道半ばとなっている。ネクスコ3社は今年度に全国37箇所のSA・PAにおいて大型駐車マスを598台(兼用マス含む)増やす。現在の1516台を2114台に拡充する工事を実施する。22年度では21箇所のSA・PAで373台分が増設された。3社では高速道路の休憩施設駐車場を2018年度から駐車マスの拡充・レイアウト変更を進め、これまで約3千台分の大型駐車マスを増設してきた。「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)では、トラック・バスの連続運転時間を4時間以内に定めている。4時間に対して合計30分以上の休憩など義務づけている。大型車の駐車マスは、これらを守るための支えともいえる整備。過労防止にも一役買ってきた。一方で増設しても課題は引き続き残ってきた。夜間の大型車混雑や不適切な駐車マス利用、不正駐車など。混雑問題では平日の夜間を中心に発生している。たとえば東名高速道の足柄SA(上り)では8時間以上の長時間駐車が約6割占め、1台での駐車マス占有時間が長くなっている。そのため多くのトラックなどが利用できず大型駐車マス不足の要因の一つとなっている。また兼用マスを普通車が占有することで大型車の駐車ができないことも多発している。そのほか予約駐車を整備したダブル連結トラック駐車マスでは、非予約車の駐車やその駐車マスに続く進入路に不正駐車され予約車が駐車できない事態も発生している。