平均約8%引き上げ、標準的な運賃見直しで提言
下請手数料10%設定
国土交通省は15日、①荷主等への適正な転嫁、②多重下請構造の是正、③多様な運賃・料金設定を柱とする「標準的な運賃・標準運送約款の見直しに向けた検討会」の提言を作成・公表した。1月以降運輸審議会に諮問、約款はパブリックコメントを経て改正する。荷主等への適正転嫁では運賃表を改定し、平均約8%引上げる。また原価のうちの燃料費を現行の1㍑あたり100円から120円に変更し、燃料サーチャージも120円を基準価格とした。荷待ち・荷役の対価で標準的な水準を提示。現行の待機時間料に加え、公共工事設計労務単価表を参考に荷役作業ごとの運賃「積込料・取卸料」を加算する。中型車(4tクラス)の30分あたり単価で待機時間料1760円に対し、積込料・取卸料を機械荷役2180円、手荷役2100円と設定した。荷待ち・荷役時間が合計2時間を超えた場合は、割増率5割を加算。これらは約款で運送と運送以外の業務を別の章に分離し、荷主から対価を収受する旨を明記する。このほか有料道路利用料を個別に明記するとともに、運送申込書/引受書の雛形にも明記。多重下請構造では「下請け手数料」として運賃の10%を設定した。元請運送事業者が実運送事業者の商号・名称等を荷主に通知することや、荷主、運送事業者双方が運賃・料金等を記載した電子書面を交付することを約款で明記する。多様な運賃・料金設定では共同輸配送等を念頭に「個建運賃」を設定した。さらにリードタイムが短い運送の際の「速達割増」や、リードタイムを長く設定した場合の割引、有料道路を利用しないことによるドライバーの運転の長時間化を考慮した割増を設定する。このほか現行の冷蔵・冷凍車に加え、海上コンテナ輸送車、ダンプ車など5車種の特殊車両割増を追加した。また、中止手数料の請求開始可能時期、金額の見直しや、運賃・料金等の店頭掲示事項について、インターネットによる公表を可能とすることを約款で示す。