成長領域にM&A、ヤマト新中計発表

持続可能な未来に貢献

ヤマトホールディングス(長尾裕社長)は5日、2024年度から3カ年の中期経営計画を発表した。宅配便など基盤領域で10%の伸長を図るほか、グローバル事業、CL(コントラクト・ロジスティクス)事業の成長領域をM&Aも含め3倍増と想定。最終年度(27年3月期)で売上高2兆~2兆4000億円(24年3月期予想1兆7650億円)、営業・経常利益1200~1600億円(同400億円)を掲げる。持続可能な未来の実現に貢献する価値創造企業を目指し、新中計のタイトルを「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)2030~1stStage~」とした。現中計「Oneヤマト2023」では事業ポートフォリオの見直しや構造改革に着手する一方、「想定を上回る外部コスト上昇」、「需要低迷や繁閑差への対応」を課題に挙げ、その対応として「構造改革の推進による固定的なコスト削減」、「外部コスト上昇、業務量の繁閑・想定差を踏まえたプライシング戦略」を前提に新中計を策定した。経営指標のイメージは表の通り。基盤領域の売上構成比が今期予想80・5%に対し最終年度66・8%、グローバル、CL事業の成長領域は10・3%が24・5%、約4分の1に高める。基盤領域の宅配便(EXP事業)はカーボンニュートラリティ、サービスラインアップの拡充、プライシング戦略の強化で事業収益を拡大する。ラストマイル集配拠点数は最終年度約1800(今期想定2800)に集約。宅配便の個数は20・8億個・単価760円(今期予想18・9億個・721円)と想定する。成長領域は宅急便ネットワークやフレイター輸送を活用したビジネスソリューションを推進。3PL、LLPは3年合計新規稼働件数で70件を、日本着越境ECシェアは60%(今期見通し37%)をそれぞれ目指す。M&Aのターゲットはオートモーティブ、ハイテク、食品コールドチェーン、ヘルスケア、地域は日本、米国・メキシコ、インド、東南アジア。営業利益は3カ年で最大1200億円の上積みとなるが、プラス要因としてネットワーク・オペレーション構造改革施策効果2000億円、増収(自律成長)1650億円、プライシング戦略700億円、M&A400億円を想定する。投資総額は3か年でM&Aを除き4000億円(成長2000億円、環境800億円、経常1200億円)を計画する。