トラック 持続的・構造的賃上げを、「骨太の方針」原案

改正物流法基づき指針

政府は11日の経済財政諮問会議で、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2024」の原案をまとめた。物流関係ではトラック運送業の持続的・構造的賃上げに向け、改正物流法に基づきガイドラインを早期に示し周知徹底を図るほか、自動化技術による人手不足対策、物流効率化の施策などが盛り込まれた。トラック運送業は改正物流法に加え、価格転嫁の円滑化、労務費の基準や標準的運賃の活用を徹底するとともに、トラックGメンの機能強化による処遇改善、取引適正化の取り組みも含め持続的・構造的賃上げを図る。人手不足への対応では、運輸業、宿泊業、飲食業など人手不足感が高い業種で、AI、ロボットなど自動化技術の利用を拡大し、業界団体による自主行動計画の策定を促す。導入が容易なロボットについて、ハード・ソフト両面の開発を促進する。自動化技術を用いることができる現場労働者の育成に向けたリカレント教育を行う。DXでは、高速道路の渋滞緩和や地域活性化に向け、ETC専用化を踏まえ、2025年度から段階的に混雑に応じた柔軟な料金体系へ転換する。まず現在のスキームの下で最大半額となる料金体系の導入に向け、8月を目途に検討を開始する。物流の効率化に向け、ダブル連結トラック対象路線拡充や自動運転トラック、自動配送ロボット、自動倉庫などの実装、手続電子化を推進する。自動物流道路は東京-大阪間を念頭に具体的な想定ルートの選定を含め基本枠組みを夏頃に取りまとめ、10年後を目途に先行ルートでの実現を目指す。自動運航船は30年頃までの実現を目指す。GXでは、燃料電池トラックなどの商用車と商用車用ステーションへの集中支援、水素供給への支援を行う。商用車のうち、非化石エネルギー自動車の保有や使用に関する目標の拡大について検討を行う。このほか「地方活性化及び交流の拡大」に向け、物流拠点・ネットワークの機能強化、モーダルシフトや物流DX・標準化による効率化、商慣行の是正、荷主・消費者の行動変容、改正物流法の執行体制の構築などの抜本的・総合的な対策を一体的に進める。骨太の方針は年末の予算編成に向けて、重要課題や政策の基本的方針を示すもので毎年6月頃に閣議決定される。