日本通運 医薬品の海上輸送拡充

トラック長距離削減し安定供給

日本通運(堀切智社長)は、6月から東京発、北海道向けにトラックなどで輸送していた医薬品のうち3分の1を海上輸送に切り替える方針を決めた。ドライバーの運行距離と拘束時間の大幅短縮を実現する。これによりCO2排出量も同社調べでトラック輸送に比べ60%以上削減できるという。環境対応に取り組む顧客の支援にもつなげられると同社は考える。取り扱う対象は、同社の東日本医薬品センター(埼玉・久喜市)から北海道向けに発送する医薬品3分の1の取扱量。海上輸送には、東京~北海道航路を運航する日本通運のRORO船「ひまわり8」が行う。ドライバーは東京港まで輸送し、貨物を積んだトラックのみ乗船。積み替えもしない。苫小牧港で下船後は苫小牧支店のドライバーが道内の輸配送を行う。一般的には東京からトラックで八戸港や青森港まで運び、港からドライバーもフェリーに乗船している。苫小牧港や函館港に到着後も同じドライバーが配達先まで輸送。人手不足を背景に、長距離運転など負担軽減が課題だった。今回海上輸送サービスを拡充したことで負担軽減を図ることができたほか、モーダルシフトによる輸送のCO2排出量削減も実現。また悪天候などで高速道路や鉄道が使用できないといった輸送障害にもBCPとして活用できる。医薬品輸送へ厳格な温度管理を行っている。室温(15~25度)と保冷(2~8度)の2温度帯輸送に対応する。輸送中の温度、位置、物流ステータスなどデータもタイムリーに提供する。