27年で装着率85%へ、デジタコ普及検討会

小規模事業者の負担配慮、補助制度を見直し

国土交通省は7月4日に開いた「第2回物流革新に向けたデジタル式運行記録計の普及促進に関する検討会」で、2027年にデジタコの装着率を85%とする目標設定と、費用負担の軽減、装着意義の理解向上、将来的な義務化を組み合わせた普及策案を示した。負担軽減では10両未満事業者の補助策を充実するなど現行の補助制度を見直す。事業用トラックのデジタコ装着率の目標について、対象車両は車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上とし、現行の義務付け(アナタコ含む)と同じ。トラック運送事業者へのアンケート(5・6月実施、回答1735者)では、最大積載量4トン以上の普及率は80%だった。4月から義務化された貸切バスが改正時の装着率が85%であり、これを参考としながら、27年まで毎年、普及率のフォローアップを行った上で装着義務化の要否を検討する。アンケートからは、デジタコを利用しない理由として、費用負担の重さ、デジタコの魅力の理解不足、強制力の不足などが考えられ、これを踏まえ普及策を講じる。現行の補助制度(24年度)は中小トラック運送事業者(軽貨物除く)向けに補助率3分の1(限度額2万円)。これに対し「未装着者を優先」、「安全運転管理機能、労務管理機能を有するもの」、「動態管理機能を有するデジタコに対する補助率を大きくする」、「10両未満の事業者に対する補助率を大きくする」など見直し案を示した。10両未満の事業者で装着率が相対的に低く、全体の普及率向上にも小規模事業者への費用負担の配慮が必要とする。また、未装着者のうち、40%近い事業者がセミナーへの参加意向を示しており、デジタコが業務に役立つ観点ととりまとめ、セミナーや動画による周知を図る考え。デジタコは物流革新に向けた政策パッケージで「将来的な義務づけも視野に入れつつ強力な普及促進を図る」としており、2月28日に検討会の初会合を開いた。4日の会合ではこれら案に対し委員からは概ね了承が得られ、次回会合(夏頃)で普及目標、普及策の設定とフォローアップ手法を検討する。