運輸・倉庫5カ月ぶり悪化、TDB7月景気動向調査
低調な個人消費が荷動き影響
帝国データバンク(TDB)が5日発表した7月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比0・8ポイント減の42・6と5カ月ぶりに悪化した。うち一般貨物自動車運送業の景気DIは前月比1・1ポイント減の39・5と落ち込んだ。低調な個人消費が引き続き荷動きに影響している。全体の景気DIは前月比0・5ポイント増の43・8と4カ月ぶりに改善。猛暑の効果やインバウンド消費などがけん引してプラス方向に転じた。エアコン特需や飲料消費など季節需要が押し上げ要因となった。一方、消費者の節約志向の高まりが個人消費を抑制したほか、仕入単価上昇によるコスト負担の増加、人手不足などマイナス要因だった。今後の景気は、好調な企業業績がプラスとなる一方でエネルギー価格の高騰など不確実な要因も多く、横ばいで推移すると見る。運輸・倉庫は3月からの横ばい・微増傾向から悪化した。個人消費抑制やコスト負担増など全体のマイナス要因がそのまま影響した。過去最高を更新してきた販売単価DIは61・0(前月62・1)に下げた。一方で仕入単価DIは66・9(前月66・5)と3カ月ぶりに上昇。雇用過不足DIも正社員63・6(前月62・2)、非正社員57・3(前月56・6)ともに上昇した。物流関係者からは「受注は好調だが、24年問題で残業対応を増やせず、荷主の依頼を対応しきれない」(特別積合せ貨物運送)、「倉庫保管の物量、輸配送の物量とも減少」(こん包)、「荷量が増えず、原価も相変わらず高騰」(一般貨物自動車運送)と厳しい声が聞かれる。先行きも「6カ月後までの受注状況が悪く、1年後の先行きも不透明。物価高のなか、価格転嫁も遅れている」(こん包)「運賃交渉で単価は上がったが、全体的な荷物の量が減少傾向」(一般貨物自動車運送)と荷動きの影響を懸念する。運輸・倉庫業界の景気DI見通しは、3カ月後46・2、6カ月後46・3、1年後47・0となる。