運輸・倉庫2カ月連続改善、TDB9月景気動向調査

荷動き上向き転嫁進む

帝国データバンク(TDB)が3日発表した9月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比0・4ポイント増の45・4と2カ月連続で改善した。うち、一般貨物自動車運送業の景気DIは前月比2・0ポイント増の43・6だった。全体の景気DIは前月比0・3ポイント増の44・6と3カ月連続で改善。インフラ整備の工事拡大や外出機会の増加などもあり上向き傾向が続いた。運輸・倉庫の景気DI45・4は、コロナ前の2019年9月(46・0)以来、一般貨物自動車運送業の43・6も19年11月(45・5)以来の水準まで戻した。8月に続き製造、建設など多くの業界が改善し荷動きが上向き、価格転嫁も一定程度進んだ。ほか運輸・倉庫の各指標では、販売単価DIが60・5(前月61・7)、仕入単価DIは65・7(前月66・8)と下げた。雇用過不足DIは正社員64・2(前月63・7)、非正社員57・7(前月58・1)。正社員は19年12月(64・3)以来の水準で不足感が高まっている。物流関係者からは「猛暑で預り在庫が増加」(冷蔵倉庫)、「荷主に料金改定要請し、一部認められ増収」(普通倉庫)などの一方、「原油高止まりや原料高で輸送貨物量が減少。値上げ交渉も認める荷主はごく少数(一般貨物自動車運送)、「内需が悪く、コスト転嫁が追い付かない」(港湾運送)と厳しい声も引き続き聞かれる。運輸・倉庫業界の景気DI見通しは、3カ月後47・5、6カ月後47・5、1年後48・0となる。