仕入れ単価DIが上昇、TDB1月景気動向調査

運輸・倉庫2カ月連続悪化

帝国データバンク(TDB)が5日発表した1月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比2・8ポイント減の42・9と2カ月連続で悪化した。うち一般貨物自動車運送業は3・5ポイント減の40・6と3カ月ぶりの悪化。燃料・原材料価格の上昇に低調な個人消費も下押しし、前月より大きく下げた。全体の景気DIは0・9ポイント減の43・6。個人消費の低迷が最大の悪化要因となったほか、燃料・原材料価格の上昇や人手不足も幅広い業界を圧迫した。ガソリン補助金の縮小もコスト増加を招いた。年末年始の連休明けで需要が落ち着いた国内旅行も悪化した。一方で、インバウンド需要が引き続き好調なほか、自動車部品生産の復調は好材料だった。今後は、実質賃金の継続的な上昇と個人消費拡大の好循環への動きが焦点とし、景気は下振れ材料を多く抱えつつも、横ばい傾向で推移すると見る。運輸・倉庫の各指標をみると、販売単価DIは58・9(前月60・2)に下げ、仕入単価DIは71・0(前月69・0)に上昇。70台は2023年9月(71・1)以来の水準で、補助金の縮小による先行き懸念が伺える。販売、仕入れ単価DIの差は12・2ポイントとなり、10ポイント以上の開きも23年9月(12・3ポイント)以来。一定の価格転嫁は進むが、それ以上のコスト負担が経営を圧迫する。ほか、雇用過不足DIは正社員64・2(前月64・7)、非正社員57・3(前月57・9)だった。物流関係者からは「賃貸倉庫の需要は堅調だが、運送は燃料高騰が請負金額に反映されない。ドライバーの人員確保も難しい」(こん包)、「労働時間の規制に伴い人材不足。また、補助金減額による原油高騰分の荷主への値上げ交渉で契約を解除される可能性も」(一般貨物自動車運送)など引き続き収益面で厳しい声が聞かれる。見通しでは「自動車生産の若干の伸びが期待」(特定貨物自動車運送)、「米新政権による政策の方向転換で好影響を想定」(港湾運送)の一方、「中国の景気低迷で輸出入荷動きの悪い状況は続く」(運送取次)、「慢性的なドライバー不足が続き、補助金減額などで燃料価格が上昇する見込み」(一般貨物自動車運送)など懸念される。運輸・倉庫業界の景気DI見通しは、3カ月後45・5、6カ月後46・4、1年後47・7となる。