税制改正のシーズン到来

今年も税制改正のシーズンが到来した。

11日開かれた自民党の自動車議員連盟で、全日本トラック協会を含む自動車関係15団体が意見・ 要望を党側に伝えた。

代表してあいさつしたのは日本自動車会議所の小枝至会長(日産自動車相談役)だ。

小枝会長は、自動車産業が日本の就業人口の約1割、全製造業の出荷額の約2割を占めるなど裾野が広い産業であることを強調。「国内市場の低迷がGDP600兆円をめざすアベノミクスの成否を左右しかねない」として配慮を求めた。

業界別要望のトップバッター、日本自動車工業会の来年度税制改正要望の「1丁目1番地」は、自動車税の引き下げだ。

来年度税制改正は、消費税率の8%から10%への引き上げが2019年10月へと再延期されたことに伴い、自動車取得税の廃止、自動車税への環境性能割の導入などがすべてセットで延期となっているため、エコカー減税延長などの小幅な改正にとどまると見込まれている。

そのような中、自動車業界が自動車税の引き下げを求める拠り所は、昨年末に決まった2016年度与党税制改正大綱で、「2017年度改正において、安定的な財源を確保し、地方財政に影響を与えないよう配慮しつつ、自動車の保有に係る税負担の軽減に関し総合的な検討を行い、必要な措置を講ずる」とされていたことにある。

具体的には、軽自動車に比べ極めて重い登録車(主としてコンパクトカー)の税率を引き下げ、軽自動車税を基準(2倍)とした税体系に改めるよう求めている。

さらに、初年度の自動車税の月割り課税を廃止するよう求めている。

全日本トラック協会は、バスやタクシー、整備業界などを差し置いて、自工会、自販連に次ぐ3番手として要望を行った。余談だが、この「序列」は、トラック業界が持つ政治力のなせる技といえる。

全ト協の重点要望は、▽高速道路の積極的な活用に向けた諸施策の実現▽中小企業投資促進税制の延長▽自動車関係諸税の軽減▽長時間労働抑制のための諸施策の積極的推進および補助・助成の拡充――の4点だ。

このうち税制では、中小企業投資促進税制の延長が焦点となる。中小企業の車両代替促進に貢献している制度で、延長に期待がかかる。

今や一般財源と化した軽油引取税の旧暫定税率17円10銭の廃止も、税負担の公平の観点から求め続けたい。