働きやすい環境に
トラック運送業の人手不足が深刻化する中で、働き方改革の流れに沿って事業者の待遇改善の対応も進んでいる。日本自動車工業会の「2018年度普通トラック市場調査」からもこの傾向が分かる。
調査は隔年で実施しており、事業者がドライバー確保のために取り組んでいる各施策の割合が2年前、4年前と比較して軒並み増えている。
56%の事業者が取り組んでいると回答した「労働時間の適正化」は、
14年度40%、16年度47%から過半を超えた。
「給与の引き上げ」は14年度31%、16年度36%、18年度は49%とほぼ半数の事業者が実施。
これらに比べ「資格取得の支援」(31%)、「休暇制度の充実」(27%)は約3割だが着実に右肩上がり。とくに資格取得の支援は保有台数が多い事業所ほど高い。
一方で「特に実施している取り組みはない」との回答も17%となっているが、14年度22%、16年度23%に対して減少しており、何らかの手立てを講じる必要があるとの危機感が高まっている表れでもある。
今回の調査でもう1つ目を引くのが荷主から見たドライバーの不足状況だ。委託先の運輸業者に対してドライバー不足を感じる経験が「よくある」19%、「たまにある」40%で6割が実際に不足を感じている。「よくある」は14年度、16年度がそれぞれ11%、「たまにある」
は14年度20%、16年度27%で前回よりも大幅に増えている。その理由として前回より大きく増えたのが「値上げの要求」である。
人手不足は深刻度を増す。帝国データバンクによると3月の運輸・倉庫業の人手不足指数は正社員で72・0と過去最高を記録した。
ネット通販の成長に伴い物流需要は活発だが、とくに中小事業者の人手不足は経営を大きく圧迫する。
東京商工リサーチによると、18年度にトラック運送業で人手不足を要因とした企業倒産件数は前年のほぼ倍となる29件だった。慢性的なドライバー不足による受注減少による収益の悪化に、事業承継への影響もある。
国土交通省が総合物流施策推進プログラムにおいて新たに加えた施策には、「ホワイト物流」国民運動、ホワイト経営の「見える化」、荷待ち時間の長い輸送分野での取り組み、女性や多様な人材確保への施策――など、ドライバーの労働環境改善につながるものが多い。これら施策も後押しとなり、関係業界全体で働きやすい環境を整備する機運を高めたい。トラック運送業の人手不足が深刻化する中で、働き方改革の流れに沿って事業者の待遇改善の対応も進んでいる。日本自動車工業会の「2018年度普通トラック市場調査」からもこの傾向が分かる。
調査は隔年で実施しており、事業者がドライバー確保のために取り組んでいる各施策の割合が2年前、4年前と比較して軒並み増えている。
56%の事業者が取り組んでいると回答した「労働時間の適正化」は、
14年度40%、16年度47%から過半を超えた。
「給与の引き上げ」は14年度31%、16年度36%、18年度は49%とほぼ半数の事業者が実施。
これらに比べ「資格取得の支援」(31%)、「休暇制度の充実」(27%)は約3割だが着実に右肩上がり。とくに資格取得の支援は保有台数が多い事業所ほど高い。
一方で「特に実施している取り組みはない」との回答も17%となっているが、14年度22%、16年度23%に対して減少しており、何らかの手立てを講じる必要があるとの危機感が高まっている表れでもある。
今回の調査でもう1つ目を引くのが荷主から見たドライバーの不足状況だ。委託先の運輸業者に対してドライバー不足を感じる経験が「よくある」19%、「たまにある」40%で6割が実際に不足を感じている。「よくある」は14年度、16年度がそれぞれ11%、「たまにある」は14年度20%、16年度27%で前回よりも大幅に増えている。その理由として前回より大きく増えたのが「値上げの要求」である。
人手不足は深刻度を増す。帝国データバンクによると3月の運輸・倉庫業の人手不足指数は正社員で72・0と過去最高を記録した。
ネット通販の成長に伴い物流需要は活発だが、とくに中小事業者の人手不足は経営を大きく圧迫する。
東京商工リサーチによると、18年度にトラック運送業で人手不足を要因とした企業倒産件数は前年のほぼ倍となる29件だった。慢性的なドライバー不足による受注減少による収益の悪化に、事業承継への影響もある。
国土交通省が総合物流施策推進プログラムにおいて新たに加えた施策には、「ホワイト物流」国民運動、ホワイト経営の「見える化」、荷待ち時間の長い輸送分野での取り組み、女性や多様な人材確保への施策――など、ドライバーの労働環境改善につながるものが多い。これら施策も後押しとなり、関係業界全体で働きやすい環境を整備する機運を高めたい。