景気回復は続いている

国内景気は、回復傾向が続いているようだ。

日通総合研究所が公表した4―6月見通しによると、荷主企業の出荷とその見通しを示す「荷動き指数」は、1―3月と同水準のプラス10だ。荷動き回復が続いている。

4―6月のトラック利用動向指数も、一般トラックが横ばいのプラス11、特別積合せトラックが2ポイント上昇のプラス3を予想しており、大きな変化はみられない。

運賃・料金動向指数では、トラック運賃の上昇圧力が一段と強まる見通しで、一般トラックは8ポイント増のプラス32、特別積合せトラックも5ポイント増のプラス29に上昇すると見られている。

一般トラックの運賃指数は、1―3月実績が前期(17年10―12月)と同じプラス24だった。指数が上昇したのは15業種のうち6業種にとどまったが、4―6月に指数が上昇するのは12業種に増えており、1―3月の2倍に相当する。

特別積合せトラック運賃の指数は、1―3月実績が前期比2ポイント低下のプラス24で、指数の上昇は8業種。4―6月は9業種が上昇を見込んでいるが、低下業種が1―3月の7業種から5業種に減り、特積みトラック全体の4―6月運賃指数は、前期比5ポイント増のプラス29になる。

荷主企業の物流担当者は、標準運送約款の改定交渉により運賃・料金が値上りすると見んでいるようだ。トラック運送事業者からは、工事関連や引越など荷動きの活発化による年度末の需要増が追い風となり、売上げは増加しているという声を耳にする。

その一方で、「人手不足の影響で人件費などの経営コストが増加し、売上げ増加も利幅が減少した」など、足踏み状況や悪化を訴える事業者も少なくない。

中小企業を対象に全国中小企業団体中央会(全国中央会)が実施した景況調査によると、3月は売上高、景況、収益状況の主要3指標が上昇したが、12月の水準には回復していない。

トラック運送などの運輸業は運賃値上げなどにより、3月の売上高DIは0・0。前月比10・7ポイント増と大幅な上昇で、3カ月ぶりに水面下から浮上した。収益状況DIも前月比7・5ポイント改善したが、マイナス19・5と低迷が続いている。

多くの中小トラック事業者は、荷主等と運賃・料金を交渉し、適正運賃の収受に取り組むことが求められている。交渉に取り組む事業者を、本紙は応援していきたい。