ルールは自ら決め、守る

安全への挑戦―中― ジャストカーゴ 清野敏彦社長

北海道・石狩市のジャストカーゴは、住宅資材の配送が中心で、保有台数52台、社員65人の運送会社だ。

安全対策について、5年ほど前まではトップダウン型で、押しつけ傾向が強かったが、現在は「会社が『やらせる』のではなく、ルールを自分たちで決めて、自分たちで守る」(清野敏彦社長)体制を整えた。

簡単なことから取り決め、全員ができるまで取り組む。キーワードは、「初歩的なことは確実にする」「一般的なことは継続する」「基本的なことを大切にする」だ。

社内外の美化活動にも取り組む。「きれいな職場とトラックに事故はなし」との考え方で、美化された状態が当たり前になる職場環境をめざした。自社だけでなく、荷物の納品先でも清掃を怠らない。

顧客などにあいさつする機会が多いため、ドライバーにも名刺を作成した。名刺は、名前を覚えやすいように、平仮名で記載。「責任感が高まり、品質向上につながる」(同)という。

「誰かに教えられるドライバー」を育成し、若年層を含む運送業界未経験者への教育体制も整えている。

社員が自分たちで決めた安全ルールの主なものは、▽バック走行時=ハザード点滅と後方下車確認▽輪止め装着=自分たちで会社のイメージカラーに塗装し、社内外で啓蒙▽車間距離=雪道走行時の習慣を通年実施することで追突事故を防止▽停まり方=信号待ち停車時はサイドブレーキを使用▽指差し呼称確認の励行=交差点通行時および倉庫内でのフォークリフト操作時、荷役作業時――など。

「誰かに教えられるドライバー」を育成するため、国交省告示に準じた月次のドライバー研修を実施しているほか、外部研修や勉強会にも積極的に参加。北海道内の小学校で開催される体験型交通安全授業への支援活動も行っている。

さらに、安全衛生委員会をランチミーティング形式で毎月開催するほか、添乗指導により日頃の運転行動を見て、個々に改善指導も行う。添乗指導は、3ヵ月かけて全ドライバーに実施。「指導する側のコミュニケーション能力が上がったことが最大の効果だ」(同)という。(続く)

清野社長

ジャストカーゴ 清野社長