補正一体で切れ目なく、24年度物流・自動車局予算

24問題、DX・GX推進柱に

国土交通省物流・自動車局関係の2024年度予算は、①2024年問題の解決に向けた物流の革新、②自動車分野のGXの推進、③自動車分野のDXや技術開発、人材確保など事業基盤強化、④自動車事故被害者救済、事故防止・安全対策の推進の4本柱を立て、23年度補正予算と一体的に活用、各課題への取り組みを切れ目なく進める。物流・自動車局の24年度当初予算は796億円(23年度671億円)、うち一般会計15億円(同15億円)、自動車安全特別会計659億円(同637億円)、財政投融資特別会計122億円(同20億円)。加えて23年度補正予算で374億円(22年度補正53億円)、うち一般会計161億円、自動車安全特別会計13億円、財政投融資特別会計200億円を計上している。柱の1つである24年問題では「物流の効率化」で123億円、補正で311億円を計上。うち財政投融資を活用した物流施設・DX・GX投資の支援で122億円、補正で200億円。補正予算では物流DX等による生産性向上、担い手の多様化の推進30億円、モーダルシフトの推進58億円、物流GXの推進16億円、物流拠点の機能強化3億円、物流標準化の推進4億円などを計上している。モーダルシフトの支援は、物効法の認定を受けた事業について大型コンテナ等の導入経費が対象。ラウンドユースやシャーシ・コンテナによる混載輸送、荷主・物流事業者連携による生産性向上に資する事業など先進的な取り組みを想定する。また、空コンテナを見える化するシステムの実証や内航海運の新規需要調査も行う。ほか24年問題関係では補正で「荷主・消費者の行動変容」45億円、「商慣行の見直し」22億円など。
●車両に充電設備補助も
自動車分野のGX推進では、環境省と連携したエネルギー対策特別会計で、商用車の電動化促進事業を補正409億円に拡充。車両の補助(3分の2等)に充電設備の補助(2分の1等)も加えた。同じくエネ特の24年度当初予算では、先進的システム社会実装促進事業を新規に12億円内数で計上。可搬式バッテリーと再エネを組み合わせたエネルギーマネジメントや車載型太陽光パネル、非接触給電等の実証、共同輸配送+ドローン配送などモデル的な実証を想定する。物流施設の省エネ機器と再エネ設備の同時導入を支援するサステナブル倉庫モデル促進事業は補正で62億円の内数とした。事故防止・安全対策関係では、安全総合対策事業で前年並みの13億円。先進安全自動車(ASV)の導入支援対象機器に後側方接近車両注意喚起装置を加えた。また、新規に安全対策事業1・9億円を計上し、軽貨物自動車の安全対策などを盛り込んだ。一般会計から自動車安全特別会計への繰戻しは65億円に増額、補正13億円を含め78億円。