「メジャー携行」は5割以下

海コン安全対策 指針等周知徹底を

国際海上コンテナの陸上における安全輸送ガイドライン・マニュアルの周知状況について、国土交通省の調査によると、「知っている」との回答は運送事業者91%に対し、運転者57%、荷主47%だった。また、安全運転の取り組みでは「メジャーの携行」が運送事業者、運転者とも5割以下であること、荷主からの情報伝達ではとくに「梱包情報」の実施状況が低いことなどが分かった。8日の第12回国際海上コンテナの陸上輸送に係る安全対策会議で報告があった。調査は昨年11-12月に実施(回答者数=荷主310者、運送事業者129者、運転者372者)した。ガイドライン・マニュアルを認識する回答者から、従業員への周知状況を聞いたところ、運送事業者(周知した)は9割を超えたが、運転者(周知された)は5割とギャップがあり、荷主は4割に満たない。
安全運転の取り組みでは、ガイドラインに示される「偏荷重状態を簡易的に測定するメジャー携行」を行っているのは運送事業者47%、運転者42%だった。運送事業者の荷主(取次事業者)からの情報伝達実施状況で「ほぼ毎回される」との回答は重量情報67%、品目情報50%、梱包24%情報と梱包がとくに低い。荷主が運送事業者(取次事業者)に伝達しているとの回答は各98%、98%、95%であり大きな開きがある。これら情報伝達の障害としては、運送事業者の「依頼主へ要求しづらい」ことや「依頼主も情報を持っていない」などをあげている。
同会議ではガイドラインの活用事例や情報伝達の優良事例調査結果も報告し意見交換した。国交省ではこれらを踏まえ引き続きガイドライン等の周知徹底を図る。
●昨年の横転事故13件
2021年の国際海上コンテナの横転事故は13件(輸入10件、輸出3件、/死傷者数5人)発生し、前年の5件(輸入5件/死傷者数2件)を上回った。減少傾向であったが、全体の発生件数は14年(20件)以来の水準。死傷者数5人は09年(7人)以来の高い数字となる。原因別では、13件のうち12件が運転者の速度超過、ハンドル誤操作によるもの。