「交渉・転嫁」見える化
中企庁が価格交渉月間調査結果
中小企業庁は、昨年9月の価格交渉促進月間フォローアップ調査の結果として、発注側企業ごとの受注側中小企業からの回答状況を整理した企業リストを公表した。10 社以上の受注側企業から「主要な取引先」として挙げられた発注側企業148社について、受注側企業からの価格交渉と価格転嫁の各回答状況を整理した。フォローアップ調査では、価格交渉について「応じてもらえた」10点、「申し入れなかった(コストが上昇していない)」5点、「同(自社で吸収可能)」0点、「同(発注量減少などを恐れ)」マイナス3点、「応じてもらえなかった」マイナス7点、「減額など」マイナス10点と配分し、価格転嫁では転嫁率1~10割を各1~10点、減額をマイナス3点など設定。その点数を回答企業数で割り平均値を算出し、4区分に分類した。4区分は回答の平均が7点以上=ア、7点未満4点以上=イ、4点未満0点以上=ウ、0点未満エ。公表リストには大手各社が名を連ね、受注側中小企業の回答企業数と、価格交渉、価格転嫁の4区分を記載。価格交渉ではア51社、イ75社、ウ21社、エ1社、価格転嫁ではア8社、イ98社、ウ41社、エ1社だった。全体で4点以上(ア、イ)は価格交渉で85%、価格転嫁で72%だった。昨年12月に公表した同調査の全体結果で、トラック運送業は発注側企業として27業種中最も価格交渉・転嫁が「相対的に応じていない」との結果だった。今回の個別企業の公表から物流関係の事業者をみると、ヤマト運輸(回答28社)が価格交渉イ/価格転嫁ウ、日鉄物流(10社)が同イ/イ、日本郵便(10社)が同ウ/エ、日本通運(26社)が同イ/ウ、ダイフク(12社)が同ウ/ウ、トラスコ中山(12社)が同ア/イ、三菱ふそうトラックバス(19社)が同イ/イ、日野自動車(10社)が同イ/イ、佐川急便(18社)が同ウ/ウ、日本郵便輸送(14社)が同ウ/ウなどとなっている。なお、公表した企業リストは、今回の調査で回答した受注側中小企業からの情報をもとに整理したものであり、各発注側企業が行っている全ての価格交渉・価格転嫁の状況を網羅的に整理したものではない。