タクシー・宅配で連携方策、ドライバーシェア推進協議会

法令・制度上の対応検討

国土交通省は、貨物、旅客運送業界と「ドライバーシェア推進協議会」を設置、6日に初会合を開いた。タクシーと宅配のドライバー供給で、業種・事業者の垣根を越え、複数地域での移動・宅配の需要や、ドライバーの供給可能性を擦り合わせる。必要に応じて実証実験を行い、法令・制度上の対応策を検討する。ドライバー不足はラストマイルを担うタクシー、宅配共通課題で、ドライバーを確保する柔軟な仕組みが求められ、新たに協議会を発足した。構成員は全日本トラック協会、佐川急便、日本郵便、ヤマト運輸、全国ハイヤー・タクシー連合会、DiDiモビリティジャパン、GO、S.RIDE、UberJapan。国交省のほかオブザーバーに総務省、厚労省、関係労働組合が参加する。初会合では冒頭、鶴田浩久物流・自動車局長が、担い手不足の中でも過疎地域などではそれに限ることではないとし、「空時間のある人をうまく重ね合わせる。同じテーブルに立ち、話し合うことで、それぞれの問題意識と照らし合わせて応用が効く可能性もある」と述べ、「クリエイティブで、実情に即した意見をいただきたい」と望んだ。続いて宅配、タクシーの状況を各構成員が説明、意見交換を行った。事務局によると、ドライバーの供給状況は、①過疎地域のタクシー不足、②郊外地域のタクシー需要低下時間帯の存在、③都市部の宅配の高い再配達率など、事業者や地域で課題が異なる。連携が可能とされる地域では実証実験などを通じて連携方策を検証する。次回会合(9~10月)で連携可能な地域での実証実験や、法令・制度上の課題へ対応策を検討。必要に応じてフォーラムを適宜開催するなどし、中間とりまとめを行う。さらなる事業・業種の展開の可能性も議論する。

初会合の様子