トラック倒産3年ぶり減少

20年161件、コロナ支援などで急減

東京商工リサーチ(TSR)がまとめた2020年(1月‐12月)の道路貨物運送業の倒産件数(法的と私的を含む/負債1000万円以上)は前年比17・0%減の161件と3年ぶりに前年を下回り、過去20年で最小だった。国などの新型コロナウイルスの資金繰り支援策が奏功したほかに、巣ごもりや宅配需要の増大を取り込んだとみられ、大幅に減少。ただ、「新型コロナウイルス」関連倒産が11件発生し、「息切れ」も目立ち始めた。
負債総額は49・5%増の279億9500万円で、3年連続前年比増。しかし平均負債は1億7300万円(前年比82・1%増)と4年ぶりで1億円を上回った。負債10億円以上が6件(前年1件)と大型倒産の増加が負債総額を押し上げた。「人手不足」関連倒産は、18件(前年31件)と大幅に減少した。人手不足感は緩和されたが、業績回復が遅れ、資金繰り支援で凌いでいる企業も多い。コロナ禍の長期化で経営体力の弱体化が顕在化しており、21年は倒産が増勢に転じる可能性が出てきた。