ドライバーが自信と誇りを、全ト協第100回通常総会

坂本会長を再任、さらに前進、進化

全日本トラック協会(坂本克己会長)は6月29日に通常総会を東京・港区の第一ホテル東京で開催、2022年度収支計算書案や役員選任案など原案通り承認した。坂本会長を再任。通常総会は第100回となり、総会後に記念懇談会を開き、坂本会長は「100回を迎えるにあたり先達の皆さんに感謝申し上げる。ドライバーにとって自信と誇りを持てる産業となる契機にしたい」と呼びかけた。坂本会長は総会あいさつで、政府による「物流革新に向けた政策パッケージ」に言及し「真面目な実運送事業者が事業を継続するため、様ざまな施策が講じられていることは皆さんの事業に対する並外れた熱意によるもの」と感謝の意を述べた。政策パッケージには荷主・物流事業者間における荷待ちや荷役など物流負荷軽減について規制的措置を導入することや、時限措置が延長された「標準的な運賃」は荷待ち・荷役に係わる費用など適正に転嫁できるよう「標準運送約款」も含め今年中にも制度の拡充が盛り込まれている。坂本会長はこれらについて「議員立法による法改正がその根幹にあり、その枝葉として荷主に対しての措置が講じられるもの。標準的な運賃については年内にも今のタリフに現状のコストに応じたものになる」など見方を示した。トラックの多重構造問題についても、国土交通省が10月に物流・自動車局に改編し「倉庫や利用運送業が入ることで多重構造の適正化」が進むことや、政策パッケージにも盛り込まれたトラックGメンによる荷主や元請けに対するチェック体制など、取引適正化の動き期待を示し「ドライバーがしっかりした労働条件のもと、自信と誇りを持って働いていただくこと。トラック業界が脚光を浴び、さらに前進し進化しするよう実りあるものとしたい」と展望した。
●新理事長に若林陽二氏
役員改選では坂本会長を再任し4期目となる。桝野龍二理事長が退任し若林陽二顧問が理事長に就任した。若林新理事長は国土交通省出身で4月に全ト協常勤顧問に就任。同日の記者会見で、先の国会での時限措置延長の成立に触れ「経験したことのないスピードで成立し、与野党とも支持を受けたのは坂本会長の力であり、また、24年問題の持つ大きな社会意義と皆さんの危機感があった。コロナ禍でもエッセンシャルワーカーとして物流を支えてきたトラック業界だが、様ざまな産業の国内回帰の動きの中でトラックへの期待もますます大きくなる。会長のスピードに負けないようついていきたい」と抱負を述べた。総会後には第100回記念懇談会を開催し斉藤鉄夫国土交通大臣をはじめ多数の来賓が駆け付け節目の会期を祝った。同日決定した全ト協会長・副会長は以下の通り。
会長=坂本克己、副会長=工藤修二、庄子清一、浅井隆、小林和男、寺岡洋一、中川才助、小丸成洋、馬渡雅敏、近藤晃。※会長指名副会長の選定は7月13日予定。