モーダルシフト10年倍増

物流革新緊急パッケージ取りまとめ

政府は6日、「物流革新緊急パッケージ」を取りまとめた。6月に「物流革新に向けた政策パッケージ」を策定したが、早期に具体的成果が得られるよう①物流の効率化、②荷主・消費者の行動変容、③商慣行の見直しを柱に施策の前倒しを図る。必要な予算確保も含め緊急的に取り組む。同日の関係閣僚会議で岸田文雄総理が「即効性の高い取り組みを経済対策に盛り込み速やかに実効に移すこと、賃上げに向け年内に標準的な運賃の引き上げ幅を公表すること、構造的な対策として次期通常国会での法制化に取り組むこと」を指示した。斉藤鉄夫国交大臣は会見で「関係省庁と緊密に連携しスピード感を持って取り組む。関係事業者の声も聞きながら着実に進めたい」と述べた。柱の1つである物流の効率化では、物流事業者や荷主企業の物流施設の自動化・機械化の推進など即効性のある設備投資・物流DXを推進するほか、モーダルシフトでは鉄道、内航船の輸送量・輸送分担率を10年程度で倍増を図る。とくに31ftコンテナの利用拡大を優先的に促進する。行動変容では宅配再配達率半減へポイント還元を通じ、コンビニ受取など柔軟な受取方法や、ゆとりを持った配送日時の指定を促す仕組みの社会実装へ実証事業を行う。商慣行の見直しでは、トラックGメンによる荷主・元請事業者の監視体制を強化し11~12月を集中監視月間として荷主による違反原因行為の調査を踏まえた「要請」など集中的に実施する。
●働きかけ200件超、トラックGメン成果
9月末でトラック法に基づく「働きかけ」は205件(8月末142件)、「要請」は9件(同5件)とさらに増えた。うち7月発足のトラックGメンによるものが「働きかけ」120件、「要請」5件と成果をあげている。今月から国交省と厚労省の「荷主特別対策担当官」をはじめとする関係行政機関の地方実施機関(経済産業局、農政局、労働局)と連携し荷主企業に合同ヒアリングを行うほか、これまで収集した情報や調査結果を照らし合わせ集中監視月間において悪質な荷主に対し状況に応じ、「働きかけ」、「要請」、「勧告・公表」の措置を講じていく。