三菱電機ロジを傘下に、セイノーHD

ロジ事業を飛躍的に成長

セイノーホールディングス(田口義隆社長)と三菱電機(漆間啓社長)は18日、三菱電機が保有する三菱電機ロジスティクス(四方壽一社長)の株式66・6%をセイノーHDが取得することで合意したと発表した。株式譲渡を10月1日目途に行う。セイノーHDは「ロジのセイノー」に向け、ロジスティクス事業を飛躍的に成長させる。同日、株式譲渡契約書と取引後の三菱電機ロジの事業運営に係る取り決めを定めた株主間契約書を締結した。取得株式数1465万2千株、取得価額は572億7600万円。三菱電機ロジはセイノーHDの子会社となり、所有割合はセイノーHD66・6%、三菱電機33・4%となる。セイノーHDによると、昨年末に入札の話があり具体的な検討を進めてきた。セイノーHDは、「特積みのセイノーからロジのセイノーへ」を掲げ、国内拠点の新設やエリア拡大を進めている。昨年6月に策定した中長期計画(ロードマップ2028)では、エレクトロニクス領域をロジの注力分野の1つに位置づけ、海外ネットワークとの親和性も高めながらサプライチェーンの最適化に取り組んでいる。三菱電機ロジは三菱電機グループで培ったノウハウを基にトータルロジスティクスサービスを提供、エレクトロニクス業界で最先端の物流技術を持つ。24年3月期で売上高1062億8200万円(前期比22・2%減)、営業利益30億7500万円(同44・6%減)。連結ベース(子会社を含めた単純合算)では売上高1353億8300万円(同20・3%減)、営業利益39億8400万円(同40・3%減)。国際輸送の一時的な収益増に対する反動減などから直近では減収減益。従業員998人(グループ2811人)、延床面積48万6951平方㍍(全国35カ所)、車両数は自社約250台、パートナー約2500台。
●強いインフラを提供
シナジーとして、三菱電機ロジのエレクトロニクス領域のノウハウと、セイノーグループの物流ソリューションを掛け合わせ、顧客のサプライチェーン最適化を図る。三菱電機グループ外への事業も拡大することで企業価値向上を図る。海外ではDBシェンカー、阪急阪神エクスプレスのネットワークを活用する。セイノーHDの田口社長は「日本の基幹である電機産業を支える大企業と新たなインフラを提供できる。1企業・グループだけでは対応できない時代。〝輸送立国〟のミッションに基づき、今後も様ざまな企業と連携し、日本全体で最適化、効率化を図り強いインフラを提供していきたい」と期待を示す。三菱電機の武田聡常務執行役は「セイノーHDの有する国内・海外の輸送インフラ、情報システム、デジタルプラットフォームなどを活用することで、調達から販売までの物流をさらに効率化するとともに、より安定的な供給網の確立を期待している」とコメントしている。