下請法遵守、道路貨物低水準

公取が19業種の自主点検結果公表

公正取引委員会、中小企業庁は14日、下請法違反行為が多く認められる19業種に要請した自主点検の結果などを「法遵守状況の自主点検結果報告書」として取りまとめ、公表した。道路貨物運送業は各項目で19業種の平均を下回り、著しく低い項目も多く見られる結果となった。「買いたたき」、「減額」、「支払遅延」などに該当する行為を行わないよう、法遵守に向けた社内管理体制を構築している割合は、19業種平均82・3%に対し道路貨物運送業は49・4%と最も低い。価格転嫁状況の認識では、発注者の立場で取引先事業者との取引価格について、労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇分の価格転嫁を、「おおむね受け入れている」との回答は19業種平均81・4%に対し道路貨物運送業は48・4%とこちらも最も低かった。コスト上昇分の取引価格への反映について、交渉の場で明示的に協議せず据え置いたとの回答割合も全体平均13・8%に対し道路貨物運送業は32・7%と最も高かった。一方、受注者の立場では、発注元との取引価格について同様に価格転嫁が「おむねできている」との回答は全体平均でも39・4%と低い中で、道路貨物運送業は20・5%と業種別では3番目に低い。自主点検は昨年末に政府が取りまとめた「転嫁円滑化施策パッケージ」に基づく取り組みとして、事業所管省庁と連名で関係事業者団体に対して要請したもの。道路貨物運送業は回答割合も1・3%と全19業種(平均26・8%)で最も低かった。また、報告書には荷主と物流事業者の取引において、荷主による独占禁止法違反につながるおそれのある行為が多く認められる5業種(化学工業、)生産用機械器具製造業、放送業、各種商品卸売業、機械器具卸売業)の自主点検結果も記載したが、こちらは各項目とも問題につながる行為はほぼ無いという結果だった。