仕入上昇も単価横ばい
TDB2月景気動向
帝国データバンク(TDB)が発表した2月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比2・2ポイント減の35・6と2カ月連続で悪化した。ウクライナ情勢もあり原油価格が高騰する中で、仕入単価DIが72・1と2008年8月(72・7)以来の水準まで上昇する一方、販売単価DIは横ばいで、価格転嫁が難航している。全体の景気DIは前月比1・3ポイント減の39・9と2カ月連続で悪化した。オミクロン株の広がりと燃料価格の上昇で落ち込みが続いた。今後は底堅い推移が見込まれるが、地政学的な不確実性の高まりによる下振れリスクに注視が必要とする。運輸・倉庫業の仕入れ単価DIは前月より1・4ポイント上昇の72・1、運賃・料金を示す販売単価DIは51・9(同52・0)に下げた。雇用過不足DIは正社員59・7(前月60・2)、非正社員55・3(同56・0)。運輸・倉庫業のうち、一般貨物自動車運送の景気DIは36・7と前月比1・4ポイント悪化した。貨物関係の事業者からは物流量の増加や部品不足解消による景況改善に期待が聞かれる一方、「燃料価格が高騰も荷主企業の原材料価格高騰で運賃料金への価格転嫁が難航」と引き続き燃料高騰が大きく影響。見通しも「ウクライナ問題を考慮すると、景況感は悪化し燃料の高騰、高止まりも続く」など懸念の声が聞かれる。運輸・倉庫業の景気DI見通しは、3カ月後39・8、6カ月後43・6、1年後47・6。