労働環境改善へ新たな一歩
運輸労連「運輸問題研究集会」開催
全日本運輸産業労働組合連合会(運輸労連)は13日、第52回運輸問題研究集会をウェブで開催し300人以上が参加、7月の定期大会で確認した方針など議論を深めた。冒頭に挨拶した難波淳介中央執行委員長は先般とりまとめられた改正改善基準告示に関し「25年ぶりの大改正が決定した。議論は10回を重ね激論が交わされた。原則年間3300時間・月間284時間は2016年の第49回定期大会で採択した運輸労連方針。長時間労働を解消し、労働環境の改善に向けた新たな一歩を踏み出す」と期待を示した。歴史を遡り、運輸産業の構造と労働環境が大きく変わったキーワードをあげながら、適正運賃収受に向けた改正事業法の施策に言及。標準的な運賃は「届け出る行為とは事業者の運賃・料金に対する想いで、目指すべき水準だが、時限期限が迫る中、届出は全事業者の5割弱。荷主も厳しいと配慮し交渉できないとしても、自社の届出はすべきと要請を重ねる」とし、時限措置については「延長か、恒久化か態度を明確にし、労使相協働して行動をおこす必要がある」との考えを述べた。全日本トラック協会の桝野龍二理事長が「トラック運送業界における当面する諸課題」、運輸労連の世永正伸中央副執行委員長が「改善基準告示の見直しへの対応」についてそれぞれ講演、問題提起の後、労働政策・組織、産業政策の2分会会で議論を重ねた。改正改善告示は11日に労働条件分科会に報告され、今後パブコメ、11月下旬の分科会への諮問を経て最終確認し12月中にも告示公布される。 検討に携わった世永副委員長は講演の中で厚生労働省が施行後3年を目途に実態調査を含め見直しを検討するのは「一般則を含めたもの」とし、「タクシーの使用者側からは、一般則適用にならない業種に若い人は入らないとの指摘があった」など、周知とともに一般則適用に向けたロードマップの必要性を強調した。