各地で取引適正化働きかけ

3局トップが合同要請、中国運輸局

省庁連携で物流の2024年問題解決へ動きが強まる中、地方行政機関の運輸、経済、労働管区が連携し、荷主業界に協力を要請する動きも広がっている。4月26日には中国運輸局、中国経済産業局、広島労働局の3局トップが、中国経済連合会に対し合同要請を広島市で行った。「トラック運送事業の取引環境適正化・労働環境改善に向けた取組に関する周知のお願い」について文書を手交したもの。運賃は適正なコストに基づき、荷主、元請事業者、下請事業者が協議を行い決定する必要があることから価格交渉の申出をしやすい環境の整備を図るなど十分な協議を行うこと、また運送事業者が改正改善基準告示を遵守できるよう長時間の荷待ちを発生させないことへの配慮を求めた。益田浩中国運輸局長は「燃料費等の高騰の運賃転嫁は十分に進まず、さらには2024年問題と呼ばれる時間外労働の上限規制が始まるなど、トラック運送事業は大変厳しい経営環境にある」とし連合会傘下の会員各社に2つの事項の周知など協力を要請した。清水希茂中国経済連合会会長は「地域経済の円滑な活動を促進するためにも効率的・安定的な物流の実現が極めて重要で喫緊課題と認識する。会員企業に取引環境の適正化、労働環境改善への取り組みを周知し、理解の促進に努める」と述べた。3局によるこうした合同要請は3月3日に中部運輸局、中部経済産業局、愛知労働局がトラック運送事業の取引環境適正化に向けた取り組みについて、中部経済連合会へ協力依頼を行っておりこれに続くもの。また、九州では九州運輸局と九州経済局が「価格転嫁の円滑化に関する協定」を2月17日に大分県、2月27日に福岡県で行っており、それぞれ県、労働局、県トラック協会と荷主関係団体などが参加し協定を締結している。コスト上昇の適正な価格転嫁と労働条件の改善へ、運送事業者、荷主が協力することを行政が強く後押しする。