回答の半数「値上げ」、東ト協連調査
それでも8割運賃〝低い〟
64単協で組織する東京都トラック運送事業協同組合連合会(椎名幸子会長)は、半年ごと実施する組合員の運賃実態調査をこのほどまとめた。希望する運賃より「低い」の回答が相変わらず8割を超えたとする結果を発表した。価格転嫁は進んでいるが高い水準での運賃引き上げになっていないようだ。7月31日を調査対象基準日とし、無作為に抽出した39単協から197社を選定。167社の回答を得た。それによると現行の収受運賃について尋ねたところ、165社中86・1%にあたる142社が希望する運賃に比べ「低い」(極めて低い+低い+少し低い)と回答した。8割を超えるのはこれまでの傾向に変わりがない。そして「希望通り」13・9%、「希望より高い」0%もほぼ同様の割合でこの間推移している。では「低い」と回答した事業者の希望する運賃はどれくらいなのか。20%以上を望む声は15社、15%以上だとおよそ33社と2割強占め、依然取引先との大きな乖離がみられる結果となった。値上げへの活動は着実に進んでいると考えられる。運賃収受の状況に変化があったかを尋ねると、回答した164社中51・2%にあたる84社が「値上げになった」と回答した。初めて3割に達した1年前からさらに20ポイントの大幅上昇となった。毎回最多の回答だった「特に変化はない」は46・3%となった。ただ「値上げ」回答であっても、「一部の値上げ」や「全社ではない」など一部にとどまっているのが実態のようだ。値上げの幅もわずかに終わるとコスト上昇に追いつけないというのが多いかもしれない。今回調査で追加した質問がある。ドライバー不足改善への兆しが見えないことから、求人募集の方法を尋ねる項目を設定した。「不足」(少し足りない+かなり不足+完全に不足)と回答した123社に尋ねた。その結果(複数回答)、最多は「求人媒体を活用」が26・6%、次いで「ハローワーク活用」20・6%などとなった。知人の紹介も根強いことが分かった。