国内外トータルロジ高度化、SGHD新中計策定
必要不可欠なインフラ維持
SGホールディングス(松本秀一社長)は、2025年度から3カ年の中期経営計画「SGH Story 2027」を策定し、27日に公表した。「トータルロジスティクスの高度化とグローバル物流の基盤拡大」を基本方針に、最終年度で売上高1兆8000億円、営業利益1100億円を目指す。22年3月に策定した「SGHビジョン2030」(30年度売上高2兆2000億円/営業利益1400億円)のありたい姿として「お客さまおよび社会において、必要不可欠な存在(=インフラ)」を定義。これに基づき新中計を策定した。同日都内で会見し、栗和田榮一代表取締役会長は「創業時から飛脚の心を大切にしてきた。常にお客さまに誠心誠意尽くす。環境が変わってもこの精神を貫き通すことで日本社会のインフラあり続け、世界でも必要とされる存在でありたい」と中計への思いを述べた。松本社長は「宅配便中心の事業から進化し、国内外でトータルロジスティクスの提供を通じて成長を実現する。C&F、モリソン社の株式取得の成果を示し、必要不可欠なインフラであり続けるよう率先して取り組む」と意欲を示した。
新中計において、デリバリー事業は、宅配便の取扱個数を27年度で13・5億個(24年度13億個)、平均単価を702円(661円)とした。個数は成長領域(越境EC、低温物流、リアルコマース)で4400万個増を見込む。TMS(宅配便以外の付加価値輸送)は24年問題の外注化需要も取り込み24年度比20%増の1500億円を計画。輸配送拠点では、中計後半に東京、関西、九州の中継センターを竣工する予定。年間取扱可能個数で10%増、集約効果 35億円を見込む。パートナー企業には、委託単価の見直し、事業承継窓口の設置など支援プログラムを拡充。委託費増加額を3カ年累計120億円とした。ロジスティクス事業は、低温物流で売上高2200億円(24年度比25%増)、営業利益130億円(65%増)を計画。低温物流以外の3PLは高付加価値化やマテハン投資を進め、売上高700億円(20%増)、営業利益1・6倍を見込む。グローバル物流では、アジア発米国向けを中心としたフォワーディング事業で、ボリューム・顧客基盤を拡大し収益の安定化を図る。アジア発日本向けを中心としたエクスプレス事業は、日本発着越境EC(40%増の5000万個計画)を主力に、宅配便の成長を底上げする。さらに台湾モリソン社のグループ化による事業基盤を強化する。投資計画(M&A除く)は3カ年で成長投資1610億円、更新投資1000億円とした。