増額回答相次ぐ、トラック24春闘
雇用環境改善へ前進
2024年トラック春闘は、先行大手の妥結状況からは増額回答が相次いだ。22日現在で運輸労連の全国12単組で妥結した10組合中8組合が賃上げで前年実績を上回った。交通労連トラック部会の特別グループ18組合では妥結・公表した11組合で7組合が増額回答となった。
24春闘は大手企業で「満額回答」や高い水準の早期決着がみられる一方、中小企業がこの流れに乗れるかが注視される。多くが中小規模であるトラック運送業だが、妥結状況をみると、賃上げ率は高い伸び率を示した他産業大手水準には至らず、「格差拡大」への懸念はあるものの、着実に前年を上回る回答を引き出している。運輸労連のうち、全日通は8450円で前年の1万550円に対しては下回った。一時金は年間で要求の5・0カ月に対し、3・2カ月(前年3・5カ月)で妥結。ヤマト運輸は前年の7328円に対し8775円と前年実績を上回った。夏季一時金は51万円で前年(56万5000円)は下回る。トナミ運輸は7500円(前年4000円)で妥結。夏季一時金は前年と同額の37万円。JPロジスティクスは4114円(前年4008円)、夏季一時金は23万円プラスアルファ(同25万円プラスアルファ)。名鉄運輸は7500円(前年2552円)で前円を上回り、夏季一時金は前年同額の36万円。ロジスティードは1万8916円で要求(1万8921円)に対しほぼ満額回答。一時金は年間190万8198円(前年194万2858円)。
日通トランスポートは5624円(前年4097円)、夏季一時金は前年を2000円上回る28万円で妥結した。三菱電機ロジスティクスの「ベア1万3000円」は満額回答。一時金は年間5・6カ月(前年6・0カ月)。エスラインギフは8608円(前年7716円)、夏季一時金は前年を2万円下回る30万円だった。これら全国単組を除いた9ブロック合計の賃上げ状況では妥結91単組の解決額が平均で単純5762円(前年4009円)、加重6499円(4757円)となる。
交通労連トラック部会では西濃運輸が1万円(前年4800円)で妥結した。岡山県貨物運送も1万142円で前年(6273円+818円)を上回り、夏季一時金は前年と同額の26万円。埼交運・日本梱包運輸倉庫支部は4634円で前年(3600円)を上回り、臨時給の回答は88万円で前年を下回る。飛騨運輸は定昇+5500円(前年定昇+5000円)で妥結した。第一貨物は2396円前年(前年6100円)、夏季一時金20万円も前年(23万円)を下回った。これら特別グループを含む全体で妥結した25組合の賃上げは単純平均5609円(前年4331円)、加重平均6968円(5046円)となる。