情報200万件突破、24年度WebKIT実績

繁忙期、トラック確保厳しく

日本貨物運送協同組合連合会(御手洗安会長)が運営する求荷求車ネットワーク「WebKIT2プラス」の2024年度実績が確定した。求車(荷物)と求荷(車両)を合わせた情報総件数は、前年度に比べ19万3千件増加し200万件を突破。過去最高だった18年度の210万件に次ぐ情報登録数となった。一方、情報がマッチングできたことを示す成約の件数は横ばいだ。12月や3月の成約率は、他の月に比べ低下が著しく、繁忙期のトラック確保が厳しくなっている。24年度の情報総件数は前年度比約10%増の205万4544件となった。内訳は、求車情報が12%(20万8千件)増の191万6456件。一方の求貨情報は、9・4%(1万4千件)減の13万8088件と減少傾向で推移した。荷物情報の増加が続き、車両情報は減少する傾向は、ドライバー不足および燃料費高騰、輸送の効率化対応への表れなのか。求車情報の登録状況は、23年度が前年度比約4%増の伸びにとどまったのに対し、24年度は12%増と伸び率は3倍を示した。「荷物を運んでください」の声はこの先も高まるとみられる。成約件数の増減は、直近4年間横ばいだ。24年度の成約件数は、前年度比0・6%減の29万5073件だった。荷物情報を中心に情報登録件数は年々伸びているものの、成約数は近年29万件台で変わらない。これらを成約率でみると、21年度は情報件数153万1056件に対し、マッチング件数は29万5443件となり約19%だった。22年度は約16%、23年度は約15%、24年度は約14%となった。

●条件良い情報増え安易な引受減る
24年度で目を引くのは、12月が21万7千件の情報が寄せられたが、成約率は11%にとどまった。同じく3月も12・9%と盛り上がりに欠けた。ドライバーの残業時間上限規制や新改善基準告示の適用など背景に、とくに繁忙期はこの先もトラックの確保が厳しさを増すかもしれない。荷物情報の登録は増加するものの、成約件数が横ばいで推移する状況に日貨協連の永嶋功専務理事は、「荷動きが決して良くないなかにあって、原価を無視した安請け合いがなくなってきたとも言える。背景には、積極的に価格交渉する事業者が増えるとともに、条件の良い情報登録が多くなってきたのが一つある。そういった情報から成約につながっている」と述べる。