持続可能なチルド食品物流

9社が研究会発足、特有の課題解決

チルド食品を取り扱うメーカー9社が「チルド物流研究会」を発足した。①納品条件の緩和、②トラックドライバーの付帯作業削減、③輸配送効率化、④標準化、システム導入による効率化――の4つの課題に取り組む。小売り、卸など関係団体と業界間の物流課題の在り方を相互に協議し、個別の納品条件などの交渉・決定へフィードバックする。研究会は伊藤ハム米久ホールディングス、日清食品チルド、日清ヨーク、日本ハム、プリマハム、丸大食品、明治、森永乳業、雪印メグミルクの9社により7日に発足。オブザーバーに経済産業省、農林水産省、国土交通省、日本加工食品卸協会、日本乳業協会、日本ハム・ソーセージ工業協同組合、日本ロジスティクスシステム協会が参加した。チルド食品の物流には賞味期限の短さや冷蔵保管など特有の課題があり、常温物流と比べて対応が難しい状況。個社や1部業界での対応では根本の解決には至らないとし、9社が結束した。発・着荷主企業がこれまで当たり前に行ってきた納品条件や商習慣を見直し、ドライバーが働きやすい環境を整える。チルド食品は納品リードタイムが短く、多頻度少量配送。納品条件の緩和では、リードタイムの延長、納品時間帯の緩和、店別仕分作業・365日納品・発注単位の見直し、新商品・特売品の事前発注化などを協議する。トラックドライバーの付帯作業削減は、ドライバーの店別仕分作業、庫内積み替え作業、庫内移動作業、フォークリフト作業を見直す。これらは今年度内に分科会を設置し課題整理、優先順位付けを行う。輸配送効率化は共同配送(同方面納品の混載)や幹線輸送も共同化を検討。標準化はパレット共同利用を推進。これらも25年度以降分科会を設置する。関係団体との協議、行政とも連携を深め、30年度を一旦の完成期と位置づけ、納品条件では店舗納品リードタイム2日、ケース受発注、納品期限2分の1などを実現する。