改正法KPIに対応、JILS

ドライバー待遇改善を

日本ロジスティクスシステム協会(JILS)の大橋徹二会長、齋藤充副会長、寺田大泉専務理事は15日に都内で記者会見し、2025年の活動方針を発表した。大橋会長は「2024年の法改正による社会的課題の解決、具体的にはKPIで示されたトラックドライバーの荷待ち・荷役時間の短縮、積載率の向上に資する活動を重点的に展開していく」考えを述べた。JILSは2025年の活動方針に①社会的課題の解決、②企業価値の向上、③ロジスティクスの変容を掲げた。社会的課題の解決では、改正物流2法への対応として、物流統括管理者連携推進会議(J-CLОP)に力を入れる。産官学連携で検討を進めており「まずは3200社とされる対象の特定荷主に認識をいただくことに注力し、特定荷主が法律を適切に活用し、物流統括管理者のKPIである荷待ち荷役時間の短縮、積載率の向上に向け計画、実行、評価、報告のPDCAをできるよう支援する」(寺田専務理事)。また、物流統括管理者の果たすべき役割、必要な能力要件等を整理し、物流統括管理者が定期的に意見交換し、サプライチェーンを繋ぐ課題解決の場を設置する。大橋会長は、昨年の物流関連2法の改正はエポックメイキングのタイミングにあるとし、多重下請け構造の是正へ、実運送体制管理簿の作成などが課せられる改正貨物法にも言及した。JILS調査ではトラック運送事業者の経常損益率は規模の大きさで年々格差が生じているとし、「ドライバーの待遇にも直接影響している。物流業界の持続可能性を脅かす深刻な問題であり早急な改善が必要」と指摘した。齋藤副会長は物流効率化の動きについて「物流、荷主企業とも業界、業種を超え、将来に渡って持続可能な物流の実現に向けた取り組みが進んでいる」との認識を示した。混載やラウンド輸送など荷主事業者間の連携や、多様な輸送モードの活用による新たなモーダルシフトの展開にも期待を示し「会員企業、行政機関、関係団体と連携しながら全力で取り組む」考えを述べた。

会見する大橋会長(右)と齋藤副会長