数量・運賃改善も費用増
全ト協10－12月期景況感
全日本トラック協会（坂本克己会長）がまとめた10－12月期「トラック運送業界の景況感」によると、判断指数は前回（７－９月期）より10・８ポイント改善のマイナス25・８となった。経済活動の復調で輸送数量、運賃・料金水準は改善したが、燃料、車両、修理費、運転者人件費など輸送原価が上昇し限定的な回復としている。人手不足感も一段と強まり、コロナ感染拡大前の水準まで戻った。１－３月期は燃料高、物価高の輸送原価増加が続きマイナス34・８に悪化する見込み。10－12月期の一般貨物は、輸送数量がマイナス４・６（前回マイナス７・３）、運賃・料金水準が19・６（マイナス26・８）に改善し、営業収入（売上高）はマイナス２・９（マイナス７・６）、営業利益はマイナス16・３（マイナス26・８）に改善した。宅配貨物も輸送数量13・９（前回10・０）、運賃・料金水準５・６（前回マイナス25・０）に上昇し、営業収入は２・８（マイナス22・５）、営業利益は８・３（マイナス13・８）のプラスに転じた。宅配以外の特積貨物は輸送数量９・８（前回７・３）、運賃・料金水準２・４（マイナス６・４）に改善、営業収入は８・５（８・２）に改善し、営業利益は４・９（５・５）に下げたがプラス圏を維持した。しかし１－３月期では一般貨物は輸送数量で10・２ポイント、運賃・料金で５・８ポイント下げ、営業収入・利益とも悪化予想。宅配貨物も輸送数量で11・１ポイント、運賃・料金で２・８ポイント下げ、営業収入・利益ともマイナスに転じる。宅配以外の特積貨物は輸送数量で８・６ポイント悪化、運賃・料金は横ばいで、営業収入・利益ともマイナスとなる見込み。人手不足感は、10－12月期が77・１（前回46・８）と大幅に上昇、１－３月期予想は84・６とさらに強まる。所定外労働時間は、10－12月期がマイナス20・２（前回マイナス19・２）、１－３月期はマイナス21・０と横ばい予想。貨物の再委託（下請への委託割合）は10－12月期が３・５（前回マイナス７・０）に増加、１－３月期は４・６と見込む。