既存事業者には猶予期間、貨物軽規制措置

安全対策で負担軽減策

貨物軽自動車運送事業適正化協議会(第4回)が7月31日に開かれ、安全対策の規制措置を講じる改正貨物法(5月15日公布)の具体的な規定や周知策を議論した。既存の貨物軽事業者には安全管理者の選任など猶予期間を設けるほか、講習のe‐ラーニング化の推奨や、業務記録・事故記録ツールの提供など負担軽減策を図る。貨物軽運送事業者への規制措置として①安全管理者の選任と講習受講、②業務記録の作成・保存、③事故記録の保存、④国土交通大臣への事故報告、⑤特定の運転者への指導・監督、適性診断――について一般貨物と同様に義務付けることとしている。施行は事業者への規制は来年度当初、講習機関の登録申請は本年11月目途に行う予定。事業用軽貨物の事故が増加傾向にあることから、規制措置を講じるもの。一方で新規性対応への負担軽減、周知策を図り規制の実効性を高める。既存の貨物軽事業者については安全管理者の選任で施行後3年、特定の運転者への指導・監督と適正診断は施行後2年の猶予期間を設ける。負担軽減策ではe‐ラーニングの講習(24時間・365日受講)も可能とするほか、業務記録、事故記録を簡易に入力し、改善基準告示の遵守状況も確認できるツールを提供する。適性診断については、現行どの地域でも受診できるキャパシティはあるが、実施機関の拡大を働きかけ環境を整備する。6月に行ったアンケート調査(貨物軽運送事業者7523者回答)では適性診断の受診は3割弱で、約23万人程度が未受診と推計。現行の実施機関の受け入れ可能人数は約27万人と推定する。周知策では、事業者向けに安全規制に係る周知ツールを作成した上で、国交省による説明会の開催、ウェブ広告バナーでの周知、問い合わせ窓口の設置、協議会構成員を通じた周知などを行う。さらに協議会構成員(大手元請け、EC事業者、プラットフォーマー、関係団体)に対し、貨物軽事業者が今般の規制を履行しているか確認を働きかける。講習受講証明書の発行により配送マッチング依頼を受ける――など想定する。同日の協議会でこれらを確認し、意見募集の上で、省令、通達を行う。