景況、収益DI横ばい、全国中央会3月調査・運輸業
転嫁進むも燃料高懸念
全国中小企業団体中央会(全国中央会)が発表した3月の中小企業月次景況調査によると、運輸業の主要DIは売上高が5・4ポイント増のマイナス3・1と改善したが、景況は前月比0・5ポイント減のマイナス24・3、収益状況は0・4ポイント増のマイナス19・6とほぼ横ばいだった。全業種では景況DIが前月比0・4ポイント減のマイナス23・7、売上高DIは2・4ポイント減のマイナス9・7、収益状況DIは1・8ポイント減のマイナス24・7といずれも前月を下回った。一部価格転嫁は進むも原材料・エネルギー価格の高止まりや、人件費の上昇で収益的に厳しい状況が続き、 製造業を中心に景況感は低下。 賃上げの原資確保に苦慮するコメントが寄せられる。運輸業は売上高DIが2カ月連続で改善したがマイナス圏内は3カ月連続。ほか指標は販売価格が25・0(前月18・5)と3カ月ぶりに上昇、取引条件も5・4(前月マイナス0・7)に改善したが、資金繰りはマイナス15・6(前月マイナス15・4)、雇用人員はマイナス21・1(前月マイナス20・7)と厳しい。貨物関係者からは「荷物運送量が増加、特に建築関係の資材が増加しているが、自車が不足し傭車の確保も依然難しい」、「売上は上向傾向だが、賃上げや燃料高が続き業況は楽観視できない。運賃値上げがどこまで浸透できるかにかかる」など、物量は回復も人手不足と燃料高止まりが引き続き懸念となっている。2024年問題に直面し「荷主交渉で満額とはいかないが取引条件が多少好転するような話ができた。ただ、人員不足・高齢化等まだまだ課題がある」、「運賃全般でコストが大きく上昇し、燃料油価格激変緩和補助金が本年4月までとされ、今後の経営に大きな危機感を持っている」と価格交渉の進展は聞かれるがコスト圧力の懸念も強まっている。