燃料高止まり足踏み、TDB12月景気動向調査

一般貨物の景気DI横ばい

帝国データバンク(TDB)が9日発表した12月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比0・2ポイント減の45・7、うち一般貨物自動車運送業は横ばいの44・1となった。年末の繁忙期で輸送量の増加もみられたが、ガソリン補助金の縮小や原油価格の高止まりなどによる経費増加がマイナス材料だった。また、ドライバー不足や確保のための人件費増加も下押し要因だった。全体の景気DIは前月比0・1ポイント増の44・5と2カ月連続で改善したが小幅な上昇にとどまった。年末需要がプラス要因となったものの、12月19日からガソリン補助金が段階的に縮小されたことによる燃料価格の上昇は、幅広い業種でコストアップにつながり地域経済を下押しする要因となり、足踏み状態で推移した。今後の景気は実質賃金の継続的な上昇が焦点となるなかで、横ばい傾向で推移するとみる。運輸・倉庫の各指標をみると、販売単価DIが60・2(前月61・0)に下げた一方、仕入単価DIは69・0(前月67・8)と上昇傾向が続く。雇用過不足DIは正社員64・7(前月64・3)、非正社員57・9(前月58・0)だった。物流関係者からは「原油価格の高止まりに乗務員の時間短縮、慢性的な人員不足、最低賃金の上昇などで非常に厳しい」(一般貨物自動車運送)、「円安の影響が大きく、商品の荷動きが悪化。ある程度値上げは進むが、それ以上のコスト増」(港湾運送)など収益面で厳しい声が聞かれる。見通しでは「値上げ要請に応じて頂ける顧客が増えてきている」(港湾運送)一方、「2024年問題の影響もあり、人件費が増加する中、価格転嫁が進まない」(一般貨物自動車運送)、「物流の停滞と中国景気悪化の影響が継続」(組立こん包)など懸念する。運輸・倉庫業界の景気DI見通しは、3カ月後45・4、6カ月後45・6、1年後47・2となる。