物流コスト比率が大幅上昇

JILS調査  20年度も上昇見通し

日本ロジスティックスシステム協会(JILS)がまとめた、2020年度物流コスト調査報告書(速報版/有効回答202社)によると、売上高物流コスト比率は前年度比0・47ポイント上昇の5・38%(全業種平均)となった。物流事業者からの値上げ要請などから物流コスト比率は上昇傾向だが、20年度調査では過去 20 年間で01年度の5・45に次ぐ高い結果となった。JILSではコスト比率上昇の最大の要因として、労働力不足などによるトラック運賃の値上げや荷役費の値上げと推測する。また、調査対象期間(19年度)のうち、コロナ禍の影響を受けた可能性のある期間は20 年1-3月の3カ月間のみで、コロナ禍によるコスト上昇への影響は限定的としている。業種別では、製造業が5・48%(前年度比0・54ポイント増)、卸売業が5・57%(同0・80ポイント増)と上昇した一方、小売業が3・74%(同0・61ポイント減)、その他が5・96%(同2・07ポイント減)と減少した。見通し(20年度)では、19年度を100とすると売上高が97に減少するが、物流コストは99となり比率は103とさらに上昇する。製造業と卸売業は売上高の減少が見込まれる一方、物流コストの減少はわずかに留まり、比率は上昇、宅配で好調な生協などの業種を含む小売業は、売上高と物流コストが同程度上昇すると見込まれ、比率は横ばいと推測した。