物流企業3月期、経常増益が半数超
82社で64社減収も下期改善
物流企業の3月期決算が出揃ったが、本紙調査では82社中売上高では増収18社、減収64社と新型コロナウイルス感染症による物量の減少を大きく受けた。一方で利益面は営業利益で38社が増益、経常利益では47社が増益と全体の半数を超えた。感染拡大による影響は上期の物量で大きく受けた。1回目の緊急事態宣言の解除後、徐々に経済活動が再開し物量は回復基調。下期は総じて収益改善を示し、第4四半期ベースでは軒並み前回予想を上回る。とくに大手ではフォワーダーが海外市場の回復と需給逼迫による運賃上昇で収益を伸ばしたほか、国内では宅配が期を通して巣ごもり消費の拡大を取り込んで物量を拡大した。収益面ではこれら増収効果のほか生産性向上、効率化促進により利益を確保。大手では運行便の自社化の促進や費用適正化、コストコントロールの強化などで改善を示すところが多い。82社中、売上高1000億円超の31社でみると営業利益増益は16社と半数超となる。全82社で経常増益47社、純利益増益46社と半数を超えが、営業外収益でコロナ感染症に係る雇用調整助成金の収入を計上したケースがみられた。