物流子会社加え議論
第2回適正取引推進会議
国土交通省は5月22日にトラック運送業に係る適正取引推進会議(第2回)を開催した。昨年12月16日に主に元請運送事業者の経営者を対象に初会合を行ったが、今回は新たにメーカーなどの主要物流子会社をメンバーに加えた。広く情報を共有し取引事業者全体のパートナーシップによる適切な価格転嫁をさらに進め、トラックドライバーの労働環境の改善を図る。冒頭、あいさつした堀内丈太郎自動車局長は24年問題に言及しながら「実効性ある措置の1つが元請による下請け、パートナー事業者に対する取引の適正化と考える。現在、トラック法による標準的な運賃、荷主への働き掛けなど暫定措置の延長機運が高まっている。今回は大手メーカーなどの物流子会社も参加し、メーカー物流特有の適正取引に係る諸課題への取り組みについても情報をいただく。より広く物流業界全体で適正取引の環境整備に向けた機運醸成につなげたい」と期待を示した。続いてあいさつした全日本トラック協会の坂本克己会長は「健全経営に向け、根元となるのはしっかりと適正な運賃を収受することと荷主対策である」とし、これら来年3月までの時限措置の延長について「切実なる思いを伝え、議員立法でお願いをしておりその機運が高まっている」との感触を示し、「ドライバーが自信と誇りを持てる労働環境となるよう議論を進めたい」と述べた。会議には前回の参加社に新たにメーカーなど物流子会社6社(全農物流、アサヒロジ、F-LINE、大和物流、凸版物流、三菱電機ロジスティクス)を加えた計26社が出席。元請のほか物流の太宗を占める物流子会社にも参加を要請したもの。初会合以降の政府、業界、事業者の動きを共有した。国土交通省、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省が行政の取り組みを報告したほか、トラック運送業界から全日本トラック協会と事業者7社が説明した。7事業者は物流子会社4社と佐川急便、日本郵便輸送、福山通運。各社適正取引の状況や、協力企業との関係構築に向けた施策、取り組みの成果などを説明。こうした情報をもとに好事例を広く横展開していく考え。