物流標準化 一致団結し取組促進
第2回官民物流標準化懇
国土交通省は7月28日に第2回官民物流標準化懇談会を開催し、パレット標準化推進分科会の中間とりまとめを受けた今後の対応、意見交換を行った。昨年6月の初会合で物流標準化の重要性を確認、先行的にパレットの標準化について分科会で検討を重ねている。連携する日本物流団体連合会(物流連)ではパレット循環スキームモデルの検討を進め、12月にも素案を取りまとめる。冒頭に省庁、関係団体トップの挨拶があり、「標準化は物流の効率化と働き方改革を進める上で待ったなし」(中山展宏国交副大臣)、「より多くの分野でより多くの関係者と協業し着実に標準化を」(武部新農水副大臣)、「全体最適を図るためには物流の視点が欠かせないことを強く認識」(石井正弘経産副大臣)とあらためて危機意識を共有し連携する重要性を述べた。また日本ロジスティクスシステム協会(JILS)の大橋徹二会長は「企業経営者が自らの責任として物流標準化を進めていくべき時にきている」とし、物流連の池田潤一郎会長は「個別事業者から全体最適を進めるのは難しく官民あげて進める必要がある」と懇談会での検討に期待を示した。事務局がパレット標準化推進分科会の中間取りまとめの概要と、これを受けた取り組み方針を説明。これからパレット化を図る事業者にはT11型を推奨し、今後はパレット化実施済みの事業者も含めた標準化に向け、荷主企業への調査による利用実態把握や実証実験などを行い、規格・運用の両面で検討することなどを確認した。
●推奨パレ、連携で強力な発信を
取り組み方針ではこれからパレット化を図る事業者への推奨に関して、行政・物流団体・経済団体等の連携による強力な発信を行い、一貫パレチゼーションを行う複数事業者間の取り組み実証支援などを検討する。実施済み事業者を含めたパレット標準化に向けては、物流連の物流標準化調査小委員会で循環スキームモデルの検討を進めており、12月を目途に素案をまとめる方針で、荷主調査や関係者意見も踏まえ規格・運用の在り方を検討する。また、官民双方でパレット標準化の推進方策にあたっての今後の検討の方向性として、「各関係先や業種分野別の取組間の連携強化」「附帯作業の明確化と料金収受の徹底」「適切な費用分担の徹底」「優良企業認定や表彰等による奨励」「国による支援・普及促進策」など要点を示した。このほか農水省が青果物分野の物流標準化、経産省がフィジカルインターネットロードマップについて説明した。意見交換では、標準化全体については一致団結して行う必要性を、パレットでは業種・分野別横断の取り組みが前進したことなど評価が聞かれる一方、物流への危機意識は全体で高まるが、その格差もあり「放置するとどのような問題があるかしっかり可視化する」といった発信面での指摘も聞かれた。