物流管理統括者「選定済」27%

JILS会員調査

日本ロジスティクスシステム協会(JILS、大橋徹二会長)が昨年12月に実施した、2023年度会員アンケート調査結果によると、「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」について、全体の約8割が「知っている」と回答した。ガイドラインに即した「自主行動計画」は12%が「既に策定済」、「物流管理統括者の選定」は27%が「既に選定済」と回答している。調査は毎年実施、今回は有効回答317人(製造業36・6%、物流業36・3%、流通業9・5%、サービス業6・6%、その他業種11・0%)。
同ガイドラインは政府の「物流革新に向けた政策パッケージ」を受け、荷主・物流事業者が「自主行動計画」を作成するにあたり、国土交通省、経済産業省、農林水産省が昨年6月に取りまとめたもの。自主行動計画は昨年12月26日時点で103団体・事業者が公表している。調査ではガイドラインについて、79・7%が「知っている」と回答した。自主行動計画の策定では、「既に策定済」に「策定中、準備中」、「今後検討予定」を含めると4分の3が前向きな回答である。発着荷主の取組事項である、物流管理統括者の選定では「既に選定済」に「今後選定予定」32%を含めると約6割が選定する考え。一方で「今後の選定は未定」も27%の回答があった。ガイドラインには同じく発着荷主の取組事項で「下請取引の適正化」が示されているが、「トラック運送における下請取引」について、「直接の委託先は知っている」58・5%、「再委託先(2次)を知っている」28・1%、「再再委託先(3次)を知っている」4・7%、「4次以上の下請を知っている」1・2%だった。
●コスト適正化が最多
ほか調査結果の主な項目をみると、「ロジスティクスやSCMを推進するうえでの課題」(3つまで選択)は「物流コスト適正化(物流コスト改善)」が47・0%で最多。前年度調査の54・9%に対し割合はやや低下したが、依然として全体でトップ。以下「ドライバー不足への対応」27・4%(前年調査「ドライバー不足/2024年問題への対応」30・7%)、「人材の育成、HRM」25・6%(前年調査26・5%)、「物流・ロジスティクス分野におけるDXへの対応」24・3%(同27・7%)、「物流の2024年問題への対応(ガイドライン対応含む)」17・7%と上位5項目は変わらない。また荷主企業の主に経営層における物流に対する認識では、「調達から販売を通じた自社の物流の全体最適が重要」62・7%(前年調査61・9%)、「事業者や取引先による持続可能な物流構築が重要」63・3%(同57・1%)、「物流は環境やSDGsなど社会課題解決の鍵となる」52・0%(同46・0%)などの回答で上昇傾向が見られた。