白トラ利用荷主の情報を、全ト協理事会
貨物法改正で健全に
全日本トラック協会(坂本克己会長)は6日、都内で理事会を開き、2025年度事業計画書案、各収支予算案の審議と、貨物事業法改正、トラック特別措置法の導入などについて説明した。冒頭あいさつした坂本会長は、不足する輸送能力や、全産業平均と比較して低いトラックドライバーの賃金などを数字で示し、現状打破へ法改正を要望し取り組んでいることを説明した。議員立法で今国会での成立を目指す改正法について、議員からは概ね賛同を得ているとの感触を述べ、「新しい仕組みを考え、やるべきことをやる。我々の事業が健全になり、ドライバーが幸せになり、社会に役立つ公器として存在するように」と意欲を示した。全ト協の改正法案にも盛り込んだ白トラ利用の荷主への是正指導に際し、依頼した荷主側が初めて摘発された事案に触れ、「良からぬ荷主が安全にコストをかけない安い運賃の白ナンバーを使う。官公需の仕事でも必要な時に白トラを使うケースすらある」とし、「白ナンバーを使う荷主の具体的な情報をあげてほしい」と求めた。
●更新制導入など最重点9項目
審議事項は承認され総会に付議される。事業計画書案では、最重点施策に①事業許可の更新制等の導入及び物流革新に向けた物流改正法等への対応、②改正標準的運賃、標準運送約款の活用等による適正な収受等転嫁対策の推進、③交通事故防止、飲酒運転根絶及び労災事故防止の推進、④トラック・物流GメンとGメン調査員の連携による荷主対策の深度化の推進、⑤燃料高騰対策等の推進――など9項目を掲げた。報告事項では、事業許可更新制度など4本柱による改正法案の内容と、これを担保する特別措置法の導入について説明した。特措法は適正競争推進機関の設置と、具体的な財源のあり方を規定するもので、国のタスクフォースに業界、労働者代表も入り、十分に議論していく方向性を示した。
●書面化アプリ提供
このほか全ト協による書面化アプリケーションの提供や、特定技能外国人ドライバーの試験状況について報告した。書面化アプリは、4月から運送契約の書面交付が義務付けられることに対応し、業務効率化とデータ管理を目的に作成。希望する会員事業者にアカウントを付与し無料で使える。7月提供予定だが、エクセル作成によるひな型をホームページに掲載し、4月施行に合わせ利用できるようにする。特定技能外国人ドライバーの試験は昨年12月から始まり、1月末時点で24回実施され、214人が受験、164人が合格し、既に受け入れ先が決まった外国人もいる。2月にはインドやミャンマーでも試験を実施。3月からはコンピュータを使ったCBT方式(個人申請)でも試験が行われる。