荷待ち・荷役2時間以内ルール
持続可能な物流検討会で政府対策の事項案
省庁連携の「持続可能な物流の実現に向けた検討会」は19日の会合で、最終取りまとめ案とともに規制的措置が制度化されるまでの喫緊課題に対応する「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主・物流事業者が取り組むべき事項案」を提示した。政府が6月に取りまとめる対策に反映する。発・着荷主、物流事業者が取り組むべき事項を、実施が必要な事項、推奨される事項に整理。発着荷主には実施が必要な事項の第1に「荷待ち時間・荷役作業にかかる時間の把握」を掲げ、これら合計による「原則2時間ら以内ルール」を示した。既に2時間以内の荷主も目標時間を設定しさらなる時間短縮に努める。さらに物流管理統括者の選定や物流の改善提案と協力、運送契約の書面化や契約にない荷役作業の防止など10項目を実施事項案に盛り込んだ。物流事業者は実施が必要な事項に、業務時間の把握・分析、長時間労働の抑制、運賃・料金の明確化、標準的な運賃の活用、契約内容の見直しの5項目を掲げた。一方、最終取りまとめ案は2月の中間取りまとめをベースに、委員の指摘や団体ヒアリング意見を反映。物流改善を評価する仕組みは「単一指標での把握は困難で現場で管理しやすい複数の目標を設定」や「努力した企業が優遇される仕組み」など意見を盛り込んだ。荷主や元請が実運送事業者を把握できる運送体制台帳の作成では「トラック事業者の過度な負担とならない」意見に対し、事業者名や契約内容、社会保険未加入の状況など記載事項を最小限とした記載イメージを掲示した。最終取りまとめの位置付けを「24年で対策が終わりでなく始まりである」など明確にした。対策の効果について活用する指標も参考に掲げた。24年度には4億㌧の輸送力が不足する試算を示したが、1億㌧を補うには荷待ち時間14分短縮、荷役時間9分短縮、モーダルシフト1億㌧増加、貨物の21%を予約1日前倒し――を例示した。6月16日開催予定の次回会合で最終取りまとめを行う。