荷待ち時間把握で議論、3省合同会議

関係団体から意見・要望

改正物流効率化法の荷主・物流事業者に対する規制的措置の施行に向けた3省合同会議が8月26日に行われ、荷主・物流関係団体のヒアリングや、特定事業者の指定基準値、中長期計画・定期報告の記載事項を追加論点として議論した。荷待ち・荷役時間の把握では物流現場の実情を考慮することや、業種・業界で様ざまな意見があり引き続き検討を重ねる。国土交通省、経済産業省、農林水産省による3省合同会議は6月28日の初会合に続く第2回。ヒアリングでは全日本トラック協会が「努力義務も実効性を担保するため将来的に義務付けの検討を」、「標準的運賃等適正運賃・料金の収受を荷主が講ずべき措置として明記」、「荷待ち時間削減等を進めることで、トラック運送事業者にしわ寄せがないよう配慮」、「システムやデータの標準化を図り、幅広い事業者支援」などを要望した。説明した馬渡雅敏副会長は「標準的運賃は参考でなく基準としてほしい。荷待ち・荷役時間は部分最適でなく、サプライチェーン全体で削減すること」など理解を求めた。日本倉庫協会は荷主の判断基準に「倉庫事業者の取り組みへの協力を義務づけ」、「倉庫事業者の増加費用は円滑に価格転嫁を行うべきと明記」を要望し、荷主には「発注、受注時間の前倒し」、「入出庫情報の事前予約」、「物量波動の平準化」、「検品の適正化」を求めた。荷主側では日本経済団体連合会が「自主行動計画に記載された各業界の特殊事情を考慮」や「必要な設備投資へ補助金や減税等を含めた支援」などを要望。荷待ち・荷役時間は「分割せず合算計測」を求めた。日本商工会議所は、中小の荷主は荷役時間まで詳細に把握することは困難と推察し、「中小荷主も含めた物流効率化の機運醸成や好事例の横展開」、「物流効率化に資するインセンティブ措置」などを要望した。全農は「長距離輸送」、「車両集中拠点」、「非効率な荷役」など改善を優先することや、時間管理についても「改善すべき拠点や期間に絞って重点的に行動ができる配慮」を求めた。
特定貨物事業者は150台以上に
追加論点として事務局が示した特定事業者の指定基準では、特定荷主・特定連鎖化事業者は取扱貨物の重量9万トン以上(上位3200社程度)、特定倉庫業者は貨物の保管量70万トン以上(上位70 社程度)、特定貨物自動車運送事業者等は保有車両台数150台以上(上位790社程度)とした。また、記載事項のうち荷待ち時間等の計測方法では、可能な場合においては荷待ち時間と荷役等時間を分けてそれぞれ計測することとした。会合では荷待ち・荷役時間の把握について、それぞれの立場から意見が交わされた。要点として委員からは発着荷主の取引改善や、中小企業を巻き込んだサプライチェーン全体での制度設計などが聞かれた。次回会合で取りまとめ案を提示したうえで、パブリックコメントを実施する予定。