転嫁進まず足踏み、全ト協7-9月期景況感

輸送数量改善見込み

全日本トラック協会(坂本克己会長)がまとめた7-9月期「トラック運送業界の景況感」によると、判断指数は前回(4-6月期)より1・4ポイント悪化しマイナス33・5となった。一般貨物の輸送数量は増加傾向だが、高止まりした燃料等の輸送原価の適切な転嫁が進まず足踏み状態。今後は輸送数量が改善する見込みを反映して、10-12月期は8・5ポイント改善のマイナス25・0を見込む。7-9月期の一般貨物は、運賃・料金水準が24・6(前回22・2)、輸送数量がマイナス29・0(マイナス37・0)とそれぞれ改善し、営業収入(売上高)はマイナス25・1(マイナス28・4)、営業利益はマイナス33・3(マイナス41・6)だった。宅配貨物も運賃・料金水準が21・4(前回15・6)、輸送数量がマイナス7・1(マイナス20・3)となり、営業収入マイナス35・7(マイナス46・9)、営業利益マイナス28・6(マイナス40・6)に改善した。宅配以外の特積貨物は運賃・料金水準は16・7(前回15・9)と小幅だが、輸送数量はマイナス37・5(前回マイナス65・2)と改善、営業収入はマイナス41・7(マイナス52・2)、営業利益はマイナス54・2(マイナス60・9)だった。10-12月期見通しは、一般貨物は運賃・料金が3・3ポイント悪化するものの、輸送数量で13・7ポイント改善し、営業収入・利益とも上向く。宅配貨物は運賃・料金が7・2ポイント、輸送数量は7・1ポイントそれぞれ上昇し、営業収入・利益とも改善見通し。宅配以外の特積貨物は運賃・料金で8・3ポイント、輸送数量で12・5ポイント改善し、営業収入・利益とも改善する。一方、人手不足感は、7-9月期が79・8(前回74・5)となり、10-12月期予想は89・4と一段と不足感が強まる。所定外労働時間は7-9月期がマイナス26・1(前回マイナス36・2)、10-12月期予想はマイナス21・3と増加傾向。貨物の再委託(下請への委託割合)も、7-9月期はマイナス14・9(前回マイナス17・3)、10-12月期はマイナス8・5と増加を見込む。